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コラム 記者ワープロ

鎮魂祈り般若心経 陶芸家 井上哲治さん

(3/4)

復興への願い、鎮魂の祈りを込めて制作した「般若心経皿」を手に持つ井上さん

被災施設鉄片で刻字
花泉
作品の皿、きょうから展示

 一関市花泉町金沢の陶芸家・井上哲治さん(59)は、東日本大震災における犠牲者の鎮魂、懸命に生きる被災者の未来に思いを込めて、被災地の鉄片で1枚に1字ずつ般若心経を刻み込んだ皿を制作。4日から同町花泉字地平のギャラリーSandNで、「ひとりの百歩より 百人の一歩」をテーマに般若心経皿展を開き、復興への祈りをささげる。

 井上さんは震災津波で友人や陶芸教室の生徒を亡くし、自身の窯も被害を受けた。2011年秋、被災者のために何もできない無力さで精神的に参っていたところ、風の沢ミュージアム(宮城県栗原市)のオーナーから皿の制作の提案があり、「やっと何かできる」と引き受けた。

 3年間にわたって、般若心経278文字分を計3回焼き上げ、これまでに宮城、青森、東京など各地で展示。先日、被災した親しい知人がつぶやいた「もうわれわれは忘れられている」という言葉をきっかけに、地元での開催を決めた。

 皿は、直径20センチ余りの焼き締め。多くの犠牲者を出した宮城県南三陸町の防災対策庁舎、石巻市の大川小学校の校舎の鉄片を使い、裏面に1文字ずつ刻み込んだ。今回はこれまでに制作した皿の中から約400枚を展示販売する。

 井上さんは当時の悲しみやつらさ、被災者の今を振り返り、「展示を通じてあの時の思いを皆さんに喚起したい。東日本大震災を忘れてはいけない」と語る。

 1枚3000円で、益金は「みちのく未来基金」へ寄付し、震災で親を亡くした子供たちの支援に役立てるという。

 入場無料。展示は20日までの土日・祝日限定で、開場時間は午前11時~午後4時。問い合わせは井上さん=090(6458)3155=へ。