ホーム 県内外 一関・両磐 胆江 北上 花巻 動画ニュース
2017年3月
« 2月  
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031 
コラム 記者ワープロ

七回忌にわらべ地蔵 普門寺(陸前高田)へ奉納

(3/9)

東日本大震災による犠牲者を供養しようと、七回忌を前に陸前高田市の普門寺で「わらべ地蔵」を奉納した仏像彫刻サークルの会員ら

一関・仏像彫刻サークル 

 一関市大町の市シニア活動プラザを拠点に活動する仏像彫刻サークル(千葉良夫会長)は、東日本大震災による犠牲者の七回忌に向け、「わらべ地蔵」を被災地・陸前高田市の普門寺(熊谷光洋住職)に奉納した。被災した松の木を活用し、1年間の活動の集大成として会員が制作したもので、犠牲者を供養したいとの祈りを手技に込めた。

 わらべ地蔵を奉納したのは2月24日で、会員9人と、講師を務めている一関市大東町の京仏師・石川昇明(本名・完二)さん(57)が同寺に出向き、29体を届けた。地蔵は高さ約10センチで、子供を思わせるかわいらしい顔立ちに仕上げ、赤いよだれ掛けと数珠を着けた。

 制作は2016年春から始め、軟らかくて彫りやすいヒメコマツで数体の習作を重ねた後、高田松原の倒木のクロマツを用いて奉納作品に着手。クロマツは石川さんが震災後、金箔(きんぱく)を施した仏像を陸前高田市内の16カ寺に寄贈した際の余りで、最後まで使い切ろうと活用した。硬いため彫刻には適さない木材だったが、会員は被災地に思いをはせながら彫り上げた。

 千葉会長(80)は「真心と冥福を祈る気持ちを込めた。地蔵を奉納したことで亡くなった人たちが浮かばれるとすれば満足。これからも技術の奥にあるものを求めていきたい」と会員の心情を代弁する。3月11日が誕生日で、全ての地蔵のよだれ掛けと数珠を手作りした齋藤としみさん(66)は「震災以来、私にとって誕生日は祝う日ではなく、冥福を祈る日になっている。先生に一生懸命指導していただいて形になった作品が、震災で亡くなった方々の供養と、ご遺族の心の慰めになれば。10体作った中から、一番いいと思うものを選んで奉納した」と語る。

 地蔵菩薩には、親よりも先に亡くなった子供を救い、極楽浄土に導くなどの功徳があるという。

 石川さんは「1年前から奉納を目指して制作に集中してきた。好きこそ物の上手なれという通り、皆さんの上達は早かった」と会員の懸命な取り組みをたたえ、「私たちにできることは多くないが、サークルの全員で心を込めて作った仏様によって、震災で傷んだ皆さんの心が少しでも和いでもらえれば」と話す。