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コラム 記者ワープロ

自然環境 人と共に 久保川流域・未来遺産フォーラム

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久保川流域の自然保全について考えたパネルディスカッション

次世代へ残す方策探る

 一関市の久保川イーハトーブ自然再生協議会(千坂げんぽう会長)が主催する「未来遺産フォーラム」は25日、同市田村町の世嬉の一酒造石蔵ホールクラストンで開かれた。「残そう未来の子供たちに~花と生きもの豊かな『久保川イーハトーブ世界』」をテーマに識者による講話やパネルディスカッションが行われ、久保川流域の豊かな自然環境を後世に伝え残していく方策を参加者で考えた。

 パネルディスカッションは、いわて流域ネットワーキング代表理事の内田尚宏さんがコーディネーター、岩手大元学長の平山健一さんがアドバイザーを務め、同協議会副会長の須田真一さん、久保川イーハトーブ自然再生研究所常勤研究員の佐藤良平さん、日本ユネスコ協会連盟海外事業部主任の青山由仁子さんがパネリストとして意見を交わした。

 須田さんは日本ユネスコ協会連盟の第1回プロジェクト未来遺産に登録された「久保川イーハトーブ世界自然再生事業」について、耕作放棄地などでの生物多様性の保全・再生事業を説明した。久保川流域は降雨量や地形的な理由から棚田の開拓に合わせて小規模なため池が多数造られるなどし、伝統的な里山の環境と絶滅危惧種を含む生物の多様性が維持されてきたと指摘。自然環境保全上の問題として、侵略的外来種の侵入や定着、住民の高齢化や後継者不足による管理放棄や営農形態の変化を挙げ、将来に向けて「久保川流域は人の手で作られ、われわれより上の世代が長く見てきた身近な自然。特に地域で暮らす人や関係を持つ方に大切に思ってもらえる形で伝えていかないと」と語った。

 佐藤さんは久保川流域で行った野鳥のモニタリング調査の様子や、環境教育を人々の交流につなげる活動を紹介。「人間も自然の一部と考えれば耕作放棄地の増加や外来生物の侵入も自然なことかもしれないが、日本から失われつつある人と自然が共に暮らす環境を残したい」と強調した。

 子供たちに伝えるために大切なこととして住民の理解を挙げ、地域外から訪れた学生が環境学習から自然再生を志すようになった事例を引き合いに「将来的には地元の方々にも自分の生まれた所に帰ってきてもらって協力してもらえるようになれば」と期待した。