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コラム 記者ワープロ

母子の情愛 涙誘う 藤沢・本郷神楽「玉取姫物語」を披露

(4/3)

「玉取姫物語」の新作を演じる本郷神楽保存会。母子の情愛が涙を誘った

 一関市藤沢町の藤勢寺(渋谷英之住職)で2日、地元の本郷神楽保存会(佐藤賢吉会長)が手を加えた創作神楽「玉取姫物語」を初披露した。夫婦愛や絆を描いた物語に加筆した亡き母と子の対面の場面が演じられ、詰め掛けた地区民らを感動させた。

 「玉取姫物語」は、同寺本堂の欄間にある「玉取り物語」の彫刻を題材に、同保存会が2012年に神楽化した。寺の祭典や地区の会館などで演じられてきた。

 今から1300年ほど前、唐の皇帝に嫁いでいた藤原鎌足の娘が、鎌足の追善のため日本へ三つの宝物を送った。船が志度浦(香川)に差し掛かると、宝物のうち「面向不背(めんこうふはい)の玉」が龍神に奪われてしまう。

 鎌足の子の不比等は玉を取り戻そうと身分を隠して志度浦へ。妻となった海女は、不比等から託された玉の奪還のため海底の竜宮へ潜り、龍神との戦いの末に玉を取り返すが自らは命を落とすという物語。

 加筆したのは、不比等と海女の間に生まれた幼い子が成長し、母の十三回忌に墓参を行うというもの。父の不比等から墓の場所を聞き、僧侶と一緒に海を渡って志度浦を訪れる。龍神の怨念と戦い、涙の対面を果たすという内容で、物語の続編になる。本堂には檀家(だんか)や地区民らが詰め掛け、親子愛を切々と演じる新作神楽に見入った。母子の絆に目頭を熱くする女性もいて、欄間に描かれた物語のその後に思いをはせた。

 加筆を担当した同保存会の佐藤会長(66)は「練習は1カ月前から合わせて10回ほど。せりふが長くどうなるかと思ったが、精いっぱい演じることができた。きょうが初舞台の新人もいるが、私たちの思いが伝わればうれしい」と語っていた。