ホーム 県内外 一関・両磐 胆江 北上 花巻 動画ニュース
2017年4月
« 3月  
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30 
コラム 記者ワープロ

桜種子から幼木に 束稲山の情景復活向け新事業

(4/14)

西行桜の森でエドヒガンの種から幼木を育て植樹する事業の実施を決めた束稲山さくらの会の総会

長期的視点で展開へ

 平泉町長島の束稲山の桜情景復活を目的に官民20団体で構成する活動組織「束稲山さくらの会」(会長・泉信平平泉観光協会長)は、束稲山中腹にある西行桜の森で採集したエドヒガンの種を発芽させ、町内の団体や個人に配布して幼木を育てる事業を2017年度から始める。幼木は最終的に西行桜の森に植樹。長期的な視点で町民の森に対する愛着を育み、束稲山の桜の情景の復活を目指す。

 束稲山の桜は、奥州藤原氏初代清衡の祖父・安倍頼時が植えたとも伝えられ、藤原氏全盛期の平泉を訪れた歌人西行の古歌を通じて吉野山にも劣らない桜の名所として知られるようになった。江戸時代の俳人松尾芭蕉が奥州藤原氏の旧跡を訪れた際に高館から対岸の「さくら山(束稲山)」を望んだとされている。

 中腹にある西行桜の森には、カスミザクラやエドヒガンなどを中心に約2200本の桜があり、往時の情景を復活させようと、植樹活動や支障木伐採などの森林整備、啓発活動を進めている。

 桜の種から幼木を育てて植樹する事業は、西行桜の森に対する町民の愛着を育むのが狙い。6月10日に町民の参加を募って桜種子採集会を開き、桜に詳しい有識者と共に西行桜の森を散策して集めた種子を、種と果実に分けて用意したプランターに植える。

 種を植えたプランターは西行桜の森にある木工芸館「遊鵬」で管理し、次年度以降に種が発芽した段階で希望する団体や町民に配布、幼木にまで育ててもらう。条件が良ければ1~2年で高さ2メートル近くの幼木が育つといい、最終的には西行桜の森への植樹を繰り返すことで、長期的なスパンで桜情景を形成していきたい考えだ。

 西行桜の森がある束稲山麓地域では、世界農業遺産認定を目指す取り組みがスタートしており、構成要素である景観を将来にわたって守っていく一助にもなりそうだ。

 事業は12日に町役場で開いた同会の2017年度総会で決定。採集会のほか、前年度に続きエドヒガンの植樹や観桜を楽しむ「西行桜の森まつり・植樹会」を開催、桜の成長を妨げる支障木の伐採や互いに成長を阻害し合い開花に影響が出ている桜の間伐、枝打ちにも着手する。