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コラム 記者ワープロ

骨寺村荘園遺跡 研究成果を総括

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世界遺産への追加登録を目指す骨寺村荘園遺跡についての調査結果をまとめて報告書を発刊し、「大きなアピールの柱としたい」と語る入間田館長(右から2人目)

「平泉の文化遺産」拡張登録
浄土風景 アピールの柱に

 国の重要文化的景観に選定されている一関市厳美町本寺地区の国史跡「骨寺村荘園遺跡」について、市博物館と市教委は、これまでの村落調査や発掘調査の結果をまとめた報告書をそれぞれ刊行した。同遺跡を含めた5資産の世界遺産「平泉の文化遺産」への拡張登録に向けた推薦書作成が本格化することに合わせ、研究成果を総括。同博物館と市教委骨寺荘園室は「推薦書案をまとめる上で重要な資料になった」とし、追加登録へ市民の機運醸成にもつなげていく。

一関市博物館が発刊した「骨寺村荘園遺跡村落調査研究総括報告書」(右)と市教委が発刊した「骨寺村荘園遺跡確認調査総括報告書」

 同博物館は、大学教授ら専門家や同博物館学芸員による2008年度からの村落調査をまとめた「骨寺村荘園遺跡村落調査研究総括報告書」として作成した。

 同報告書は3部で構成され、1部では、今回改めて書き下ろされた論文13編を掲載。同遺跡が平泉の経済的基盤だったことや中尊寺の経蔵別当領だったことを詳しく検討・証明する内容に加え、重要文化財「陸奥国骨寺村絵図」に描かれた水田の現在地を推定した論文などでまとめた。2部は、これまで同遺跡をテーマに書かれた論文や研究を一覧にし、3部では中世から近代にかけての古文書などを集めた。

 市教委は、同絵図と現地の照合を目指し1999年度から行った発掘調査結果をまとめ、「骨寺村荘園遺跡確認調査総括報告書」として発行。遺跡内の9カ所について、出土した遺物などの写真を用いて紹介した。

 このうち慈恵塚については、地中レーダー探査により塚内部に埋蔵物が確認できたことから、12世紀の経塚である可能性に言及した。

 刊行に当たり、同博物館の入間田宣夫館長は「仏教色が深い農村であることが絵図にはっきり描かれており、骨寺村が浄土の風景を表していると言える。追加登録の大きなアピールの柱としたい。調査を継続し、世界レベルの研究を続ける」と語った。

 村落調査研究総括報告書はA4判、338ページで500部印刷。同博物館で1冊4000円で販売する。確認調査総括報告書はA4判、111ページで300部作成した。いずれも同博物館や市立図書館で閲覧できる。

 同室によると、同遺跡の世界遺産追加登録に向けては、今年度に推薦書案をまとめ、文化庁へ提出する見込み。