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コラム 記者ワープロ

平泉 醸す酒 道の駅開業27日発売

(4/22)

平泉ワイナリーで町産や県南産のリンゴで造ったシードルを手にする佐々木代表理事(左)と関根さん

ワイナリー誕生 第1号はシードル

 平泉町の農事組合法人アグリ平泉(佐々木正代表理事)は、果実酒工房「平泉ワイナリー」を立ち上げ、地場産リンゴ100%で造ったシードルを完成させた。町産ふじを使った爽やかな酸味が感じられる「束稲山麓ワイン」と、県南産ふじを使った甘い香りと果実味が生きた「平泉りんごワイン」の2種類で、27日にオープンする道の駅「平泉」などで販売を開始。2016年度から3カ年計画でブドウ畑の整備も進め、将来的には自社栽培の果実を使ったワイン造りを目指す。

 ワインの醸造は、道の駅「平泉」で売り出す特産品の開発を目的に、同法人経営の「きんいろパン屋」で製造販売するパンに合う商品として15年から計画。パン屋の技術アドバイザーが縁で、フランスのボルドー大でワイン造りを学び複数の現地ワイナリーで修業した関根康之さん(44)=東京都出身=を技術者に迎え、計画を本格化させた。

 町6次産業化促進支援事業、いわて希望ファンド地域活性化支援事業の助成を受け、町から借り受けた旧束稲土地改良区事務所を改装。昨年12月までに醸造に必要なタンクや搾汁機、澱(おり)引きなどの設備をそろえ、今年1月上旬には醸造に必要な税務署から「果実酒製造免許」が交付された。

 3月2日にはシードルの初仕込みを行い、平泉ワイナリー第1号の製品が完成。21日には町内のホテルで関係者約60人を招いて試飲会を開き、広く親しまれる商品になることを期待した。

 同時に同町長島の中山間地域の耕作放棄地90アールを開墾し、ブドウ畑「束稲農園」の整備も進めてきた。竹暗渠(あんきょ)で畑の排水を良くする土地改良事業を行い、今年3月には30アールに3種類計300本のブドウ苗を植えた。

 町産リンゴを使ったシードルには、このブドウ畑が広がり、世界農業遺産の認定を目指す地域の活性化を願い「束稲山麓」と命名。2種類とも無ろ過でアルコール分は約7%、375ミリリットル入りが800円(税別)、750ミリリットル入りが1500円(同)で、道の駅「平泉」のほか、同法人運営の「毛越寺門前直売あやめ」で販売、町内飲食店での取り扱いを考えている。

 昨年6月に同町に移り住んだ関根さんは「平泉の新たな名物として多くの人に手に取ってもらえるよう頑張りたい」と語り、佐々木代表理事は「平泉の特産品になればと思う。これを起爆剤に喜んでもらえる商品を展開していきたい」と意欲を見せる。

完成した「平泉のどぶろく一音」を手にする千葉さん(左)と製造に従事する鈴木ゆり子さん

「どぶろく一音」完成

 国のどぶろく特区に認定されている平泉町で、レンタカー業を営む女性がどぶろく製造に必要な免許を取得し、醸造を開始した。「平泉の一番の特産品はコメ。道の駅で売り出す土産品を作りたい」と一念発起してから丸1年。「平泉のどぶろく一音(いっとん)」の名前で、道の駅「平泉」がオープンする27日を皮切りに販売や宿泊施設での提供を始める。

 免許を取得したのは同町平泉字上野台の平泉レンタカー代表取締役千葉志津子さん(65)=一関市花泉町涌津=。自ら生産したコメを原料としてどぶろくを造ることが条件となるため、昨年4月に町内の水田を借り、地元の農事組合法人アグリ平泉の協力を得てひとめぼれの栽培を始めた。

 同時にどぶろく製造に必要な手続きを進めながら、町6次産業化促進支援事業を活用して製造所の整備に着手。千葉さんが経営するレンタカー店敷地内に製造所を建てて寸胴や蒸し器、冷蔵庫などの道具をそろえ、今年3月上旬に税務署から「その他の醸造酒製造免許」を交付された。

 製造には県工業技術センターや遠野市で醸造に必要な技術や知識の習得に努めてきた千葉さんをはじめ地元の女性3人が従事する。先月27日に自前のひとめぼれを使って初仕込みを行い、2週間ほど寝かせて今月11日に第1号のどぶろくが完成した。

 商品には中尊寺建立供養願文の象徴的な言葉を冠した。「一音の覃(およ)ぶ所千界を限らず。抜苦与楽(ばっくよらく)、普(あまね)く皆平等なり」。混沌(こんとん)とした先の見えない現代、大きな時間の流れに思いをはせながら飲んだ人が心穏やかになることを願って命名した。

 千葉さんは「仕込む期間によって甘さや辛さを調整でき、まだまだ改良の余地がある。どぶろくを通じて特産のコメ、平泉の魅力を多くの人に伝えることができればうれしい。ぜひ飲んで感想を聞かせてほしい」と話している。

 瓶、陶器、パウチタイプで200ミリリットル入りと720ミリリットル入りの5種類を用意。200ミリリットルが500円前後、720ミリリットルが2000円前後の価格帯で、町内や近隣の酒類販売業免許のある小売店、旅館施設での販売や提供を考えている。

 問い合わせは同製造所=0191(46)4190=へ。