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コラム 記者ワープロ

平安絵巻 新緑映え 詠歌、浄土庭園で優雅に 毛越寺曲水の宴

(5/29)

毛越寺浄土庭園の遣水のほとりで開かれた曲水の宴。鮮やかな新緑と心地よい風に包まれ、多くの見物客が優雅な世界を堪能した

 平安時代に盛んに行われた歌遊びを再現した「曲水(ごくすい)の宴」が28日、平泉町の毛越寺浄土庭園で開かれ、平安貴族に扮(ふん)した歌人が「天(てん)」を歌題に歌を詠んだ。新緑が映える庭園には県内外から約3000人の見物客が詰め掛け、平安絵巻さながらの優雅な世界を堪能した。

 曲水の宴は、遣水(やりみず)と呼ばれる水路に浮かべられた酒杯が流れ着く間に歌を詠む遊び。同寺では発掘調査で見つかった遣水の復元整備を機に、1986年から開催している。

 31回目の今年は、披講諸役に宮中歌会始披講会員の近衞忠大さん(東京都)と久邇朝俊さん(同)、主客歌人に金ケ崎町在住の作家平谷美樹さん、東北6県持ち回りの歌人には青森県歌人協会推薦の5人を迎え、衣冠(いかん)や狩衣(かりぎぬ)、袿(うちぎ)姿で参宴。遣水のほとりで歌題にちなんだ歌を短冊にしたためた。

 歌題には天候が温暖で天変地異もなく、天の恵みにより作物が豊作で、全世界が平和で平等に幸福に暮らせる日が一日も早く訪れてほしいという願いが込められた。平谷さんは「野にいでて もゆる楢山 見さくれば おぼろにかすむ 天(あま)がける駒」と詠んだ。

 同日は午前中に降っていた雨もやみ、午後は時折日が差す過ごしやすい陽気となり、多くの見物客でにぎわった。装道関係者の薦めで訪れた埼玉県富士見市の前場順子さん(65)は「趣のある庭園で繰り広げられる風流な宴(うたげ)を楽しむことができた。普段聴くことのできない装束の説明も聴けて良かった」と話し、うっとりと見入っていた。