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コラム 記者ワープロ

谷川徹三、俊太郎、賢作 3代署名本 70年目の“奇跡”

(6/19)

谷川徹三、俊太郎さん、賢作さんの3代にわたる署名が入った本を持つ佐藤さん

元長坂村青年団
佐藤守男さん(92)

 一関市東山町長坂字館合の佐藤守男さん(92)は、およそ70年前に哲学者谷川徹三から贈られた署名本を大事に保管してきたが、このたび息子で詩人の俊太郎さん(85)と孫で音楽家の賢作さん(57)が同町を訪れたことから、谷川さん親子3代の署名が一冊にそろうこととなった。佐藤さん(旧姓菅原)は、長坂村青年団として賢治詩碑建立に尽力した当時を振り返り、「ありがたいこと」と目を細めていた。

 署名本は、谷川徹三の著書「私は思ふ」で、1948年1月出版。佐藤さんは同年4月、宮沢賢治詩碑建立のため、東京の徹三書斎を訪れた際に手ずから贈られた。

 この時は、晩年の賢治が技師として働いた東北砕石工場の工場長・鈴木東蔵の息子である鈴木實と、後に東山町長、衆院議員などを務めた菅原喜重郎さん(90)の3人で徹三の元に向かった。当時は戦後の食糧難の時期であったため、詩碑の撰文、揮毫(きごう)を依頼した徹三に、農業を営んでいた佐藤さんがコメを差し入れたという。

 4日に同町で開かれた宮沢賢治詩碑「まづもろともに」建立70年記念事業に谷川さん親子が招かれたことから、会場に本を持参し、2人にも署名を入れてもらった。佐藤さんは「息子の俊太郎さんも(徹三と同じように)堅苦しくない人だった」と語り、厚意に感謝した。

 谷川さん親子3代の署名が一冊にそろうのは非常に珍しいといい、石と賢治のミュージアムの菅原淳館長は「東山にとっても大事な宝」とたたえた。

 同ミュージアムでは後日、双思堂文庫にて署名本の展示を予定している。