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コラム 記者ワープロ

小岩井農場施設重文へ 文化審

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文化審議会が重要文化財(建造物)に指定するよう答申した小岩井農場施設の「第4号牛舎」

文化審議会が重要文化財(建造物)に指定するよう答申した小岩井農場施設の「第4号牛舎」

9件の新規指定答申
 文化審議会(馬渕明子会長)は21日、雫石町丸谷地の小岩井農場施設など建造物9件を重要文化財として新規に指定するよう松野博一文部科学相に答申した。農場施設の指定は、北海道大農学部(旧札幌農学校)第2農場(札幌市)に続いて2件目で、稼働中としては初めて。県内の重要文化財(建造物)は27件(うち国宝1件)となる。

 小岩井農場施設は本部事務所、本部第1~2倉庫、倶楽部、第1~4号牛舎、種牡牛舎など21棟。明治後期の1898年から昭和初期の1936年にかけて建てられた施設で、21棟のうち9棟は国の登録有形文化財になっていた。

 このうち、本部事務所は03年の建築で建築面積252.5平方メートル。小岩井農場の中枢的機能を持つ事務所で宮沢賢治の長編詩「小岩井農場」にも登場する。倶楽部は14年の建築で建築面積633平方メートル。来客の応接・宿泊、従業員の集会施設として建てられた一部洋室の和風建築で、今も会議室などとして利用されている。1号牛舎は34年の建設で、建築面積478.5平方メートル。当時最新鋭のスタンチョン式を取り入れた搾乳牛舎で、現在も68頭収容の搾乳用の牛舎として使用されている。

 小岩井農場は1891年、本格的な洋式農場を目指して井上勝(鉄道庁長官)が開設した。99年三菱第3代社長の岩崎久彌が継承し牛乳の市販を開始。1900年代に入り畜産事業や発酵バターの市販、育馬事業などを始め、38年小岩井農牧を設立。種鶏、観光、緑化エンジニアリングなどにも事業の幅を広げた。

 小岩井農場の建物群は、総務部門の下丸、育牛部門を置く上丸、耕運部門がある中丸の三つの地区に集中している。牛舎やサイロといった農場施設は各時代の最新技術を積極的に導入。改良を重ねた農場システムを示す一連の建物群が良好な状態で保存されており、「わが国の近代農場の発展過程を知る上でも重要な施設」とされた。現在の所有者は小岩井農牧。

 同町教委は「小岩井農場は町を代表する観光地であり、町とも深いつながりがあるので、その建物の価値を認められたことを非常にうれしく思う」とし、小岩井農牧側と連携しながら今後施設の保存や活用の検討を進める意向を示している。

 文化審議会は今回、併せて長野市戸隠など2地区の重要伝統的建造物群保存地区への選定も求めた。近く答申通り告示され、重文の建造物は2465件(うち国宝223件)、保存地区は114地区となる。
 文化審議会の指定・選定答申は次の通り

 【重要文化財(新規)】
 小岩井農場施設(雫石町)▽佐藤家住宅(秋田県横手市)▽旧松浦家住宅(同)▽旧大和田銀行本店本館(福井県敦賀市)▽旧西園寺家興津別邸(愛知県犬山市)▽知恩寺(京都市)▽旧奈良監獄(奈良市)▽闘鶏神社(和歌山県田辺市)▽大宜味村役場旧庁舎(沖縄県大宜味村)

 【重要文化財(追加)】
 那須疏水旧取水施設(栃木県那須塩原市)

 【重要伝統的建造物群保存地区】
 長野市戸隠伝統的建造物群保存地区(長野市)▽牟岐町出羽島伝統的建造物群保存地区(徳島県牟岐町)