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コラム 記者ワープロ

噴石、須川温泉到達か 栗駒山・水蒸気噴火

(12/3)
昭和湖での水蒸気噴火を想定し、噴石や降灰の範囲を示したシミュレーション図(栗駒山火山防災協議会提供)

昭和湖での水蒸気噴火を想定し、噴石や降灰の範囲を示したシミュレーション図(栗駒山火山防災協議会提供)

作業部会、想定範囲示す

 栗駒山火山防災協議会ハザードマップ作業部会(部会長・齋藤徳美岩手大名誉教授)の第3回会合は2日、盛岡市内で開かれ、栗駒山の昭和湖付近での水蒸気噴火を想定した数値シミュレーションについて協議し、おおむね了承した。噴石は須川高原温泉まで到達し、降灰が1センチ積もる範囲には祭畤温泉も含まれる想定が示されており、年度内に水蒸気噴火に関するハザードマップが策定される予定。

 有識者や国、県、地元自治体などから約30人が出席。栗駒山火山ハザードマップの作成に関する噴石や降灰、火口噴出型泥流、酸性水などの数値シミュレーションについて議論した。

 約4000年前に起きたとされる栗駒山での最大規模の噴火を基に、各種条件を設定。昭和湖付近での噴火を想定した上で、噴石は最も飛距離が出るとされる直径約60センチとし、想定到達範囲を800メートルとした。その結果、本県側では須川高原温泉の南側が範囲に含まれた。

 降灰は、噴火地点から約2キロで層厚50センチ、約5キロで同10センチ、約8キロで同1センチの火山灰が堆積するとした。50センチ範囲には須川高原温泉、10センチ範囲には宮城県側のいわかがみ平や耕英地区、1センチ範囲には本県では真湯温泉や祭畤温泉が入った。

 火口から直接噴き出し流下する火口噴出型泥流は、昭和湖付近から8地点で発生することを想定。須川高原温泉の西側で道路の一部浸水があり、真湯温泉付近まで流れるとみられるが、多くは河道内を流れるとした。

 降灰後の土石流は、最大規模の降雨や移動可能土砂量を基に算出し、一部道路に氾濫するものの、直接人家には影響しないとする見解を示した。

 一方で1944年の噴火後に磐井川下流で拡散したとされる酸性水については、計算上当時の観測値を再現することができなかったことから、ハザードマップ作成に当たっては当時の数値と共に、最悪の条件下での想定も示す方向で一致した。

 齋藤部会長は「水蒸気噴火のシミュレーションが出たのは一つの成果だが、酸性水の拡散を推定するにはいろいろな条件があって難しい。水蒸気噴火では土石流などの氾濫が住家まで広がる可能性は小さい結果となり、対策を進める上では幸いだ」と述べた。

 今後は部会で出された意見を踏まえて調整を加えた上で、2017年3月の同協議会で水蒸気噴火に関するハザードマップを決める計画。17年度はマグマ噴火などを想定したマップ作成の作業を進める。