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コラム 記者ワープロ

病気や障害あっても幸せに 盛岡に猫のシェルター

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オープンした猫の保護シェルターで、猫エイズに感染し発症していない猫を抱く関係者

NPOが開設し保護

 盛岡市菜園で猫カフェを運営するNPO法人「もりねこ」(工藤幸枝代表理事)は、障害や病気などといったハンデを抱える猫を保護するシェルターを今月、市内中心部にオープンさせた。一般には飼うことが難しいと敬遠されがちな猫の居場所を確保し、人間と触れ合う場を提供することで、社会的に弱い立場にいる猫に対する理解を広め、引き取り手の発掘にもつなげる。

 猫カフェ「もりねこ」は、工藤代表理事(31)=盛岡市=が猫と触れ合う場として2014年1月に同市菜園のビル2階に開設。個人や保健所から迷い猫、野良猫などを引き受け、これまでに270匹以上を保護し里親探しに奔走してきた。

 課題となったのは猫エイズや猫白血病といった感染症にかかっている猫。工藤代表理事の根底にあるのは「猫も人も幸せな社会の実現」に向け「最期まで命を全うできるようにする」こと。譲渡が難しく殺処分された猫を何度も目の当たりにして、病気や障害、高齢などの猫を救おうと一念発起し、専用施設の整備に乗り出した。

 12日にオープンしたシェルターは、猫カフェと同じビル内の5階を借り受け改装。室内(約120平方メートル)を病気や障害など状態別に間仕切りして世話している。最大30匹の受け入れが可能。開設当初は10匹を保護し、猫エイズに感染し発症してはいない猫7匹のコーナーを一般に無料開放。募金を募って猫の継続的な保護につなげる。

 オープンには施設の改修費用などで初期投資に230万円、年間の維持経費に300万円が必要と積算。インターネット上で投資を募るクラウドファンディングを活用し支援を求め、目標の300万円を上回る約314万円を集めた。

 工藤代表は「不適切な飼い方で外に出したまま帰ってこなかったり、不妊手術をせず子供が増えて手に負えなくなるなど、ペットを飼うという当たり前のことをできない人が多い。病気を理由に殺処分されたり、捨てられたりする不幸な命を増やしたくない」とし、「病気に対し偏見がなくなる場所にもしたい。動物を迎えたい家庭があったらシェルターを見に来てほしい」と呼び掛ける。

 定休日は火、水曜日。入場時間は正午から午後6時まで。問い合わせは同団体=019(613)7773=へ。

殺処分減少傾向に 県内保健所昨年度
25%は飼い主以外へ譲渡

 県がまとめた動物愛護管理業務実績によると、県内保健所による猫の引き取り数は年々減少傾向にあり、2015年度は906匹。これに対し譲渡数は228匹で譲渡率は25%に上り、年々増加傾向にある。殺処分数は減少傾向にあり、県は保護団体や一般への譲渡が増えたことなどが譲渡率向上につながっているとみている。

 15年度に県内10保健所が引き取ったり、収容したりした猫は906匹で、年々減少傾向にある。このうち飼い主に返還されたのはわずか8匹で、飼い主以外の一般や団体に譲渡されたのは228匹。譲渡数は10年度が58匹で、その後80~120匹台で推移し、14年度は180匹と年々増加傾向にある。これに伴い2~4%台だった譲渡率も14年度には14・2%、15年度には25・4%にまで上昇している。

 殺処分数は、09~13年度が1600~1900匹台だったが、14年度以降減少傾向にあり、15年度は676匹だった。

 県県民くらしの安全課は「譲渡を仲介する団体が引き取りに協力してくれていることのほか、保健所から譲渡を受けることが認知され、家の中で飼っている人や適切な飼い方をしている人が増えたことなどが背景にあるのではないか」とみている。