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コラム 記者ワープロ

空き家に法的対応を 県立大 市町村職員へ指南

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空き家対策の法的対応の解決に向けた研究の一環で県立大が市町村職員らを対象に開いた勉強会

 全国的に増え続ける空き家が問題となる中、県立大は空き家対策の法的対応の解決を目指す研究の一環として6日、盛岡市のいわて県民情報交流センター(アイーナ)で市町村職員らを対象にした勉強会を開いた。2015年の空き家対策特別措置法施行から2年が経過、空き家対策条例を制定済みの自治体もあるが、運用上の課題は少なくないという。同日は専門家の講演や自治体担当者の報告などを通じて空き家対策の充実、適正化に向けた方策を探った。

 市町村担当者や県、県立大の関係者ら約60人が参加。上智大法科大学院の北村喜宣教授が「特定空家などの認定から除却に至るまでのプロセスにおける法的論点」をテーマに講演したほか、県立大研究・地域連携室の千葉実特任准教授と県内で空き家対策条例を制定した盛岡市と北上市、西和賀町の担当者が空き家対策条例に関して問題提起を行った。また、千葉県流山市政策法務室長(弁護士)の帖佐直美氏が相続放棄の問題について講演した。

 北村教授は同法による行政代執行・略式代執行が3月31日現在、計45件に上っていることを報告。「これまでは代執行など考えることはないというのが普通の自治体の姿だったが、最近はそれがだいぶ違ってきており、人口数千人から数万人の市町村も必要に迫られてやっているのが現状。『うちは無理です』とは言いにくい現実があり、法律をきちんと学び、きちんと運用することが必要になっている」と市町村が空き家対策の法的対応を確立する必要性を訴えた。

 盛岡市と北上市は建物への防護ネット設置、倒壊の恐れがある屋敷林の伐採など、空き家対策条例に基づき昨年から今年にかけて行った即時執行の事例や費用面の措置、相続問題が絡み対応が滞っている空き家の状況などを報告。西和賀町は町外に住む空き家所有者の把握の難しさを語った。

 県立大は今後空き家対策の法的対応に関する調査・研究を進め、9月に盛岡市内で成果発表会の開催を予定している。その後は条例の制定や改廃を行う市町村に対する個別の助言なども行い、自治体を支援するという。

 千葉特任准教授は「市町村が空き家対策を進めるには条例に基づく即時執行という仕組みがあるが、費用をどうするかといった問題があり、相続が絡んだりするとすごく面倒な話にもなってくる。なるべく費用を掛けずスムーズに進めることができるようなものを考えていきたい」と話す。