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コラム 記者ワープロ

灌漑、生産向上に期待 国営和賀中部農業水利事業

(11/2)
除幕式後、管理センターの案内を受ける関係者。ここから現地の状況を確認でき、水位量調整が可能となる

除幕式後、管理センターの案内を受ける関係者。ここから現地の状況を確認でき、水位量調整が可能となる

着手10年、191億円投じ完工

 農林水産省が北上市、花巻市、金ケ崎町を対象に10年がかりで進めてきた国営和賀中部農業水利事業が2016年度で完了することになり1日、北上市内で完工式などが行われた。老朽化した既存施設を改修し、同市の入畑ダムからも農業用水の供給を受ける。総額191億円余の巨費を投じた事業の完工で、灌漑(かんがい)用水不足の解消と生産性向上に大きな役割を果たすものと期待される。

 同地区は和賀川両岸の3市町にまたがる3392ヘクタール(北上市2036ヘクタール、花巻市736ヘクタール、金ケ崎町620ヘクタール)の水田があり、県内有数の農業地帯。1963~70年度に国営和賀中部開拓建設事業で造成された基幹水利施設は老朽化と劣化が進み、維持管理に労力と経費を要していた。さらに、営農形態の変化で農業用水の需要が増加し水不足に陥る事態も出ていた。

 地元の要望を受け、農水省は2006年度に事業着手。新たに入畑ダムからも農業用水を確保し、既存のため池も水源として利用することで農業用水不足に対応した。

 既存施設の湯田ダム取水口、夏油と尻平の両頭首工、用水路6路線22・7キロを改修。事業はほぼ予定通り進み、残りの用水路の一部補修も年度内に終える見通しだ。

 北上市和賀町長沼には用水管理センターを新設し、頭首工や水路の重要地点にカメラと水位計を設置。センターから現地の状況をリアルタイムで確認でき、取水口の開閉も含め水位量調整が可能となり、これまで手動だった取水口の開閉や見回りの負担が大幅に軽減される。

 ホテルシティプラザ北上での完工式には国や県、3市町の関係者ら約200人が出席。松尾元東北農政局長は「事業着手からはや11年。この日を迎えることができたのも受益者や関係機関の理解と協力のたまもの。完工を機に『攻めの農業』が一層進むことを期待する」と述べた。

 式に先立ち、センターでは完工記念プレート除幕式も行われた。要望に当たってきた岩手中部国県営土地改良事業促進協議会長で岩手中部土地改良区の菊池勲理事長は「この施設を活用し、将来に向かい当地域の農業を活発に展開できれば」と語り、髙橋敏彦北上市長、堀江淳県南広域振興局長らと共に除幕した。

 整備された施設と同センターは同改良区が管理運営する。