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コラム 記者ワープロ

ブランディングで苦境克服

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北上の自社工場も紹介したビジネス書を出版したユーティーオー代表取締役の宇土さん

北上の自社工場も紹介したビジネス書を出版したユーティーオー代表取締役の宇土さん

宇土寿和さん(ユーティーオー代表取締役)
中小製造業者へ指南書

 【北上】北上市下江釣子に岩手工場を持つカシミヤニット製造・販売のユーティーオー(本社東京都港区)の代表取締役である宇土寿和さん(66)は、ビジネス書「中小製造業逆転のブランディング」(幻冬舎)を出版した。同工場の優れた技術力を生かし、カシミヤに特化したビジネスを展開する宇土氏は「自社の得意分野から新しいビジネスモデルを検討してブランディングすれば、道は必ず開ける」と強調する。

 同社はセミオーダーでカシミヤのセーターやカーディガンなどを製造する。宇土さんは「いい物を作っているのに売れない」「大手企業の下請けでコスト削減の要請に苦しんでいる」という中小製造業者のために、「自身の経験を参考にしてもらいたい」と同書を出版した。

 旅行好きで若い頃にヨーロッパなどを巡った宇土さん。その経験から旅行業を営み、後にアパレルメーカーに転職。1992年に独立してアパレル会社を立ち上げ、2000年に社名をユーティーオーに変更した。

 経費の面から、11年に山梨県の工場を閉鎖して北上市に移転。長崎県島原市出身の宇土さんにとって北上は無縁の地。あるきっかけから北上で働いていたニット職人と出会った。

 セーターなどのニット製造には、左右の袖や前身頃など各パーツをつなぎ合わせるリンキングの高い技術が求められる。「北上には熟練した技を持つ若者がいる。イタリアなど外国にも負けないほど素晴らしい」と北上の職人にほれ込んだ。

 同社の製品が北上市のふるさと納税の返礼品に採用され、品質の良さが広く知られるようになった。宇土さんは「工場が地方創生のモデルの一つになってほしい。ものづくりから製造、サービスとさまざまな仕事を生むことが地方創生のポイントになる」と語る。

 宇土さんは、注文を受けてから製造して直販する方式にこだわる。かつて大量生産で在庫を抱え、苦境に立たされた経験を糧とする。「北上ではいい人材に恵まれた。ここで製品の販売もして、小さな工場だがゆくゆくは北上で作ったカシミヤ製品を世界中へ広めたい」と将来像を描き「お世話になった恩返しに、ユーティーオーを岩手に定着させたい」と意気込む。