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コラム 記者ワープロ

稲瀬層の変遷紹介 地元学グループ「北天塾」

(4/12)

「稲瀬火山岩層のワンダーランド」を発刊した北天塾のメンバー。左から及川さん、兒玉さん、菊池塾頭、佐藤克英事務局長

活動再開後初の冊子発行

 【北上】地元学グループ「北天塾」(菊池清春塾頭)は、「稲瀬火山岩層のワンダーランド」を発刊した。花巻市から北上市、奥州市江刺区の東部に広がる稲瀬火山岩層(稲瀬層)の成り立ちや、同エリアの山や河川、寺社などの歴史的背景を紹介。同塾は「地域を知る資料として役立ててほしい」としている。

 同塾は北上市など県内、宮城県の会員で1987年に発足。東北学の研究誌として99年まで計10号発刊した。2014年に活動を再開し、第1弾として今回の冊子発行に至った。

 7部構成で、核となる「北上と『稲瀬火山岩層』の物語」は会員の及川政直さん(64)が中心となり執筆。及川さんらは北上市の陣ケ丘にある奇岩、国見山廃寺も含め北上川東側の地形に興味を持ち、稲瀬層に関する資料、文献を調べ現地を歩いてまとめ上げた。

 稲瀬層は、北上市中心部が海だった約1500万年前に現在の明神岳(同市口内町)で海底火山爆発が起こり形成されたとされる。冊子では「東北新幹線新花巻駅から水沢江刺駅まで東西15キロ、南北30キロの広範囲」と記し、日本列島と稲瀬層の生い立ちや変遷を図解で示している。

 さらに「2500万年前から1000万年前、北上高地は海に浮かぶ大きな島だった。その『北上島』西端の火山活動でできたのが国見山の胎内くぐりの岩や亀岩」「北上市東部地区一帯は表面に凸凹のある礫(れき)の混じった岩が多い」と説明。稲瀬層エリアにある現在の川や峠、史跡、寺社をはじめ明神岳や早池峰山、国見山などの山を写真と解説付きで紹介している。

 このほか、会員や博物館研究員らの稲瀬層に関連する調査、研究成果を記載。結びでは「溶岩が露頭した地形が古代から聖地としてあがめられ、国見山廃寺が建てられた」と記した。

 菊池塾頭は「歴史観、ふるさと観が強く感じられる一冊になった」と強調。及川さんは「稲瀬層は北上周辺の大きな個性。国見山廃寺や平泉文化、南部と伊達の藩境の歴史にも影響を及ぼしたのでは。普段見慣れている風景も一つの個性として見直し、楽しんでもらえれば」と話している。

 A4判、79ページ。いきいき岩手支援財団の補助を受け、200部作成。北上市内の各地区交流センターなどに配布した。店頭販売はしない。問い合わせは同塾事務局の兒玉智江さん=0197(67)3633=まで。