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コラム 記者ワープロ

スミレ 色とりどり 急逝の博物館専任研究員・佐竹さん

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佐竹さんが撮りためた多彩な写真を展示している北上のスミレ展

和賀分館で遺志くみ写真展

 【北上】北上、西和賀両市町のスミレを写真で紹介する企画展「北上のスミレ展」が、北上市和賀町横川目の市立博物館和賀分館で開かれている。4月3日に急逝した市立博物館専任研究員の佐竹邦彦さん(享年76)が撮りためた作品。色とりどりの多彩なスミレが映し出されている。佐竹さんの遺作展となり、関係者は「北上でも多くの種類のスミレがあることを知ってほしい」と来館を呼び掛ける。

北上市立博物館和賀分館開館に合わせ、来館者に説明する佐竹さん(右)=2016年9月

 佐竹さんは高校の理科(生物)教員として県内各校で教壇に立ち、県立博物館立ち上げにも参画。前沢養護学校長で退職後、2001年4月市立博物館の専任研究員に就いた。

 専門の昆虫を中心に植物類やキノコ類などに造詣が深く、県内の自然科学研究の第一人者、自然環境関係のアドバイザーとして多方面で活躍。「キノコの先生」としても慕われてきた。

 16年9月の和賀分館開設にも中心的役割を果たし、同分館では初の企画展となるスミレ展へ準備を進めていた最中、突然の病に倒れた。

 同分館では、佐竹さんの遺志をくみ、写真や解説文を展示。佐竹さんが市内、西和賀町の各地に足を運び撮影したヒナスミレ、ヒカゲスミレ、マキノスミレなど23種類のスミレを紹介している。紫、薄紫、白、黄色など多種多彩でかれんな花々が並び、スミレの魅力を余すことなく伝えている。

 佐竹さんは調査、収集のため「現場主義」を徹底する一方、自然探索会などでは豊富な知識にユーモアを交えて語り歩いた。同分館受付案内人の千枝良孝さん(69)は「寒い時でも調査のためいろいろな場所に出歩く研究熱心な方で、冗談も言いながら誰でも分かるように教えていた」と人柄をしのぶ。

 佐竹さんの長男歓さん(41)は「小さい頃、山に連れて行ってもらった時も必ずカメラを持って登っていた。本人は『今年が最後かな』と言っており、集大成のつもりだったのでは」と推し量る。

 夏に佐竹さんらが手を掛けてきた世界のアゲハチョウ展も予定しており、市立博物館の杉本良館長補佐は「佐竹先生が長年、培ってきた研究成果をまた公開できるよう、研究者の助けを得て整理していきたい」と話している。

 北上のスミレ展は市役所和賀庁舎内の同分館で6月4日まで開催。午前10時~午後4時。期間中は5月22日を除き無休。入場無料。