<一関学院4強入り〜夏の高校野球岩手大会>
第八十八回全国高校野球選手権岩手大会(県高野連など主催)は二十一日、県営(盛岡市)、花巻両球場で準々決勝四試合が行われ、第二シード専大北上と春センバツ出場の一関学院、盛岡大附、大船渡が準決勝進出を決めた。
三年連続準々決勝で同じ顔合わせとなった県営球場第一試合は、第一シード一関一が盛岡大附に七回コールドで屈し、三年越しの雪辱と十二年ぶりのベスト4入りはならなかった。第二試合は専大北上が久慈工に貫録勝ちし、二年ぶりの準決勝進出。
花巻球場第一試合は、一関学院が終盤遠野を突き放し、二年ぶりの4強入り。第二試合は大船渡が大野との打撃戦を制し、二年連続ベスト4に名乗りを上げた。
二十二日の休養日を挟み、準決勝は二十三日に県営球場で行われる。第一試合は盛岡大附と大船渡、第二試合では一関学院と専大北上が対戦する。
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| 県営 |
=春覇者の関一姿消す〜盛大附にコールド喫す=
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| 【盛岡大附−一関一】関一二回、二死二塁から8番新沼が左中間に同点適時二塁打を放つ=県営球場 |
【盛岡大附9−2一関一】強打に機動力を絡めた盛附がコールド勝ち。盛附は同点の五回、長短3安打を集めて勝ち越し、その後も好機を確実にモノにした。関一は五回まで得点されるごとにすかさず反撃、互角の試合運びで食い下がったが、頼みの投手陣がつかまり4強入りを逸した。
盛岡大附・澤田真一監督 前半にもう少し主導権を握る試合をしたかったが、追い付かれてもベンチの雰囲気は明るかった。(走者が)塁に出て勝負強いバッティングができたのが勝因だろう。今大会調子を上げている吉田(正和)を六番から三番に上げたのもバッチリだったね。
=盛岡大附の壁厚く〜一関一=
梅雨空から冷たい雨が落ちるグラウンドで、一関一の夏が終わった。三年連続準々決勝での敗退。それも相手はすべて盛岡大附。今年も厚い壁にはね返された。昨年に続いてのコールド負けに、選手たちの涙は止まらなかった。
小野寺弘行監督は「2点差をつけられて相手に自分たちの打撃をさせてしまった。先制して堅い野球をやらせたかったが」と悔やんだ。中盤までは新沼悠太投手(二年)の踏ん張りと2本の適時二塁打で接戦に持ち込んだが六回、新沼が4四球と乱れ3失点。七回にも二番手・菅原淳(同)が勢いを止められなかった。新沼は「自滅してしまった」と涙をこぼした。
私学の強豪から頂点を奪うためには「投手をつくる以外にない」というのが小野寺監督の持論。新チームには「二人とも大きく育てたい」と常に口にする新沼、菅原淳の二枚看板がそっくり残る。
岩渕大地主将(三年)は「力負けしたが、悔いはない。二人の二年生(新沼と菅原淳)には感謝したい」と思いを込めた。涙目で引き揚げる両投手には「来年の夏と言わず、春のセンバツに(甲子園に)出ろよ」と後を託した。攻守にチームを引っ張った主将を小野寺監督は「自分で打って、自分で守って…何も言うことはない。よくやってくれた」と静かにたたえた。
=健闘のナインねぎらう〜一関一OBの巨人・木村投手=
健闘及ばず敗れた一関一ナインを迎える人の輪に、十六年春センバツ出場の立役者・木村正太投手(現巨人)の姿があった。現在の三年生は、木村投手の二年後輩。一人一人に「よくやったな」と声を掛け、三年連続ベスト8入りした選手たちに拍手を送った。
木村投手は「ぼくのころから三年連続で(盛岡大附に敗れ)悔しい思いをしている。本当に残念」とがっくり。六回に四球を連発した新沼投手ついても「投手には、ああいう時があるんです」とかばった。
「岩渕はここで終わる選手じゃないと思う。『この後も頑張れ』と言ってあげたい」と話した木村投手。久々の「KANKO」のユニホームが見せた活躍は、本人にとってもパワーの源になったようだ。
【写真】「よくやったな」。後輩に笑顔で語り掛ける木村投手(左)
=専北が序盤に主導権〜久慈工、後続なく=
【専大北上7−4久慈工】序盤に主導権をつかんだ専北が押し切った。専北は初回、久慈工主戦甲地の立ち上がりを攻め、長短4安打を集めて一挙4点を先制。投げては小石−箱崎の継投で反撃をしのいだ。久慈工は四回に六番小野寺の適時三塁打などで1点差に迫ったが、後が続かなかった。
専大北上・堀田一彦監督 (四回での継投について)箱崎(修平)も信頼できる投手なので安心して送り出した。先頭の川内(将晶主将)が“核弾頭”としていい仕事をしてくれた。
安定した戦いで4強
昨夏の覇者と春の県王者が相次いで姿を消す「戦国大会」で唯一、専大北上がシード校として準々決勝を突破。準決勝で春センバツ出場の一関学院と対戦が決まった。現チームは県優勝や甲子園出場など派手さこそないが、高いレベルで安定した戦いぶりに「専北が本命」と推す声も上がってきた。
試合は初回、一番川内将晶主将(三年)が左前打で出塁すると、すかさず二盗。3本の適時打を集め、あっという間に4点をリードした。守っては四回、先発の主戦小石貴也(同)から箱崎修平(二年)に早めの継投。逃げ切りに成功した。7−4のスコア以上に、余裕のある試合展開だった。
主戦のみに負担を掛けない堀田一彦監督の試合運びは、ベンチの控え選手に「全員野球」の意識を芽生えさせているよう。自然とベンチ全体が盛り上がっているという。川内主将は「ベンチのムードはとても良い。勢いがある」と手応えを口にした。
甲子園出場まで、あと二勝。高いレベルに勢いを加え、専北がラストスパートをかける。
【写真】【専大北上−久慈工】専北初回、無死二塁から2番津田の右前適時打で2走川内が先制のホームを踏み、次打者田路(3)とハイタッチ=県営球場
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| 花巻 |
=学院、終盤突き放す〜遠野先制もリード守れず=
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| 【一関学院−遠野】学院八回二死満塁、勝ち越しの右前適時打を放つ9番金森=花巻球場 |
【一関学院7−3遠野】学院は同点で迎えた八回二死満塁から九番金森の右前適時打で勝ち越し。九回にも三番下舘の本塁打で加点し、遠野を突き放した。守っても二回から登板した主戦太田が12三振を奪う力投を見せ、遠野打線を封じた。
太田、毎回の12奪三振
ベスト4を懸けた遠野戦。一関学院の先発は主戦太田裕哉(三年)ではなく、前日の盛岡工戦で完封劇を演じた里舘慶一朗(同)だった。
沼田尚志監督が「調子が良かったので、五回持ってくれればと思って」と送り出した里舘だったが、これが誤算。初回に先制点を奪われ、二回にもピンチを迎えたことから、太田がスクランブル登板した。
しかし、太田も盛岡中央戦(三回戦)での二百球を超える熱投の影響もあってか、調子が出ない。三回には3連打で同点に追い付かれる場面も。「直球がシュート回転してキレが全然なかった」と、試合後に憮然(ぶぜん)とした表情だったが、六連続を含む毎回の12奪三振は、全国レベルの好投手の片鱗(へんりん)を見せた。
「準決勝までには何とか修正したい」と太田。エースの左腕に、チームの行く末が懸かっている。
=健闘大野粘り及ばず〜大船渡が乱打戦制す=
【大船度9−7大野】最後に地力の差を見せた大船度が乱打戦を制した。大船渡は同点の九回一死二塁から、五番鈴木の中前適時打で勝ち越した。大野は五回にスクイズで一時逆転。3点を追う八回にも三番猪鼻の中前適時打などで同点に追い付く粘りを見せたが、力尽きた。
大野、最後は笑顔さわやか
今大会旋風を巻き起こした大野は、準々決勝でも大健闘。一時は4−3とリードし、勝ち越しを許した八回にもすぐに追い付く粘りを見せた。
細川幸希監督は「ベスト8が目標だったが、それを達成できた。自分たちの野球ができた」と選手をたたえた。持ち前のチームワークを存分に発揮し、大船渡を最後まで苦しめた。
最後の打者となった日當寿成主将(三年)は「みんなのおかげでここまで来られた。やれることはやれたので、悔いはない」と気丈に語った。
「三年生はいいものを残してくれた」と細川監督。日當主将も「来年は自分たちを超えてほしい」と後輩にエールを送った。試合終了直後には悔し涙に暮れていた選手たちは、全力を出し切ったという満足感とともに、さわやかな笑顔で球場を後にした。
【写真】【大船渡−大野】大船渡九回二死一、二塁から、暴投の間に2走熊谷が一気に生還し9点目=花巻球場
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