これまでの試合結果
組み合わせ表

 <一関学院、専北に惜敗〜夏の高校野球岩手大会>

 第八十八回全国高校野球選手権岩手大会(県高野連など主催)は二十三日、盛岡市の県営球場で準決勝二試合が行われ、盛岡大附と専大北上が決勝進出を決めた。

 県南私学の雄同士の対戦となった第二試合は、第二シード専大北上が主戦小石貴也投手(三年)の好投で、一関学院を2−1で撃破。五年ぶりに決勝へ駒を進めた。学院は主戦太田裕哉投手(三年)の力投も及ばず、春夏連続甲子園出場の夢は断たれた。

 第一試合は盛岡大附が大船渡に3−0で完封勝ちし、二年ぶりの決勝進出。これで公立勢はすべて姿を消し、十二年連続私立勢の甲子園出場が決まった。

 =専北、逆転劇でV王手=

【一関学院−専大北上】専北同点の七回、二死一、二塁から2番津田が中前に逆転打を放つ=県営球場
 【専大北上2−1一関学院】専北が息詰まる投手戦を逆転で制し、六年ぶり優勝に王手を懸けた。専北は1点を追う六回、二死二塁で代打折居が同点打。七回には二死一、二塁から二番津田の中前適時打で逆転、数少ない好機を確実に生かした。学院は初回、四番山根の二塁打で先制したが、尻上がりに調子を上げた専北の主戦小石を打ち崩せず、涙をのんだ。

 =5回以降無安打の力投〜専北の小石投手=

 専大北上が苦しみながらもワンチャンスを生かす勝負強さを発揮し、春センバツ出場の一関学院を下した。主戦の小石貴也(三年)は被安打4、五回以降は無安打に封じる力投。五年ぶり決勝進出の立役者となった。

 試合後の小石は、笑顔を見せ「緊張しちゃって、朝から何も食べていないんですよ」と明かした。初回は緊張から球が浮いたが、二回以降は「もう絶対に点はやらない」と歯を食いしばり投げ続けた。「二試合分投げた感じ。疲れました」と充実した表情で振り返った。

 どうしても勝ちたい相手だった。昨年秋は、県大会二回戦で1−2で敗れている。小石は同点から学院主戦の太田裕哉(三年)に適時打を浴びたシーンをはっきり覚えている。その太田が今春、甲子園で華々しいスポットを浴びた。「センバツをテレビで見ていて、すごく悔しかった」。

 最終回、四球をきっかけに一死三塁の大ピンチを迎え、打席には太田。「秋のことを少し思い出した。あそこは気合入りました」。秋からライバル視していたという左腕を見事、渾身(こんしん)の直球で空振り三振に切って取り、勝利をたぐり寄せた。

 大槌中出身の小石は、十二年に同じ投手として甲子園に出場した兄・明寛さんを追い専北への進学を選んだ。背番号10をつけていた明寛さんは、甲子園での登板はなかった。「甲子園のマウンドに上がらないと、一生後悔する」と短く言った小石。自身、そして兄の思いを胸に、決勝のマウンドへ向かう。

 =采配ズバリ的中〜専北・堀田監督=

 五回まで無安打と打ちあぐねた一関学院の好投手・太田裕哉(三年)を専大北上が六、七回に攻略。今春から指揮を執る堀田一彦監督の采配(さいはい)が、ズバリ的中した。

 六回、津田嶺(二年)の初安打を足掛かりに二死二塁の好機。ここで思い切りよく、打力を買って起用した中井隆盛(一年)に代え折居貴喜(三年)を打席に送った。「左投手のときは、自分が代打一番手と思っている。二子小時代の友達の声援が聞こえて力になった」と振り抜いた一打は二塁手後方にポトリ。執念の同点適時打となった。

 続く七回は二死一、二塁からまたしても津田。悲鳴と歓声を乗せた打球は、勝ち越しの中前打となった。津田は「変化球を狙っていた。(初回の)バントミスを取り返そうと必死だった」としてやったりの表情。

 監督の起用に、見事に応えた二人。専北六年ぶりの甲子園を「堀田采配」で引き寄せる。

 =「あきらめず最後までやれた」〜学院・太田投手=

 試合後、一関学院の主戦太田裕哉(三年)=写真=は帽子で顔を覆いながら、肩を震わせていた。満員の観客がスタンドを後にし、決勝に向けたグラウンド整備が終わろうとしている中で、仲間に促されても、ベンチから動くことができなかった。「少しでもこのグラウンドに長くいたかった」。涙が止まらなかった。

 今大会は本人も納得がいかないほどの不調続きだったが、「昨日(二十二日)から調子が上がってきた」(太田)ことから、自信を持ってマウンドに上がった。その言葉通り、初回から絶好調。先制点をもらった心強さもあり、五回まで強打が売りの専大北上打線を無安打に封じた。

 しかし、先頭打者に安打を許した六回に試合が暗転した。沼田尚志監督も「集中力が切れると思って、気を付けろよ、とは言ったが…」と試合後に振り返ったが、二死二塁から同点にされると、続く七回にはまたも二死から逆転を喫した。

 「初回からチームの雰囲気も最高だったので、勝てると思ったが、自分が打たれて悔いが残る」と話す太田だが、目をはらしながらも「あきらめないで最後までやれた」と胸を張った。

 勝利目前までいきながら、サヨナラ負けを喫した春のセンバツでの悔しさを晴らすことだけを目標に、練習に励んできたが、その場所に行くことはできなかった。かなわなかった思いを後輩たちに託し、好投手がまた一人、高校野球を卒業していった。


 =盛大附が2年ぶり決勝進出=

【盛岡大附−大船渡】盛大附八回、2点本塁打を放ち笑顔でベンチに戻る天野(手前左)=県営球場
 【盛岡大附3−0大船渡】盛大附が主戦田上の快投で二年ぶり決勝進出。盛大附は初回、一死三塁から三番吉田の右犠飛で先制し、八回には一番天野の2ランで加点。主戦田上が終始、安定した投球で2安打完封した。大船渡は一、三、五回と三塁まで進めたもののいずれも生かせず、六回以降は田上の前に無安打。好投の二年生主戦大和田を援護できなかった。

 =田上、巧みな投球術=

 盛岡大附の澤田真一監督が「前半、中盤と重苦しい展開だった」と振り返ったように、両主戦が意地の投手戦を繰り広げたが、最後は大船渡打線を2安打に封じた盛岡大附の田上慧(三年)に軍配が上がった。

 大船渡が直球狙いと見るや、スライダーを中心とした組み立てで相手のタイミングを外した。初回に先制しながらも、追加点を奪えない嫌な流れにも、田上は「0−0のままよりも楽な気持ちだった。無失点で行こうという気持ちだった」と自分のピッチングを貫いた。

 澤田監督は「相手に的を絞らせなかった。きょうのピッチングは76点。20点は先頭打者に四球を与えたことで、ボークがあったのでマイナス4点」と辛口だ。決勝の専大北上戦に向けて田上は「自分のピッチングをするだけ。最後なので気持ちで投げる」と大舞台で“満点”の投球を披露する気構えだ。

7月23日の試合結果 準決勝
県営球場 第1試合
 
盛岡大附 1
大船渡
盛岡大附 大船渡
(試合終了)

県営球場 第2試合
 
一関学院
専大北上 ×
一関学院 専大北上
(試合終了)
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