●CTSとは?



 新聞記者のことや取材のことを説明しました。
 整理記者のこともわかりましたか?
 では毎日の紙面はどのようにしてつくられていくのでしょうか。
 鉛の活字は使うのでしょうか。

 鉛活字は昔の話

 新聞制作の流れはここ十数年間、コンピューターの技術と共に大きな進歩をとげてきました。この新しい技術を、より早くて美しく、内容の充実した紙面づくりに役立てています。

 「新聞=鉛活字」というイメージを持つ読者も多いでしょう。岩手日日新聞社では昭和43年(1968年)に鉛活字を廃止し、写真植字と呼ばれる光学式のシステムがこれに代わりました。品質向上は当然ですが、鉛を使わないことで職場環境も一変しました。全国的にも注目される導入でした。

 やがて写真植字の技術も精度を上げ、電算化されて紙面づくりに大きな貢献をしました。しかし、ここまでの技術はいかに画期的であっても、記事、見出し、写真などを紙面に張り 付けていく、人の技と長年の経験、時間が不可欠でした。

 昭和62年(1987年)、岩手日日新聞社の編集局から原稿用紙がなくなり、新聞記者は専用ワープロに向かうようになりました。遠隔地の支社や支局からは、電話回線を通じて原稿が瞬時に担当デスクの前に届けられるようになりました。

 同時にこの昭和62年にCTSと呼ばれる電子編集システムが導入され、一面丸ごと、画面を見ながら組み上げていくハイテクの紙面づくりがスタートしたのです。今はごく当たり前の記者ワープロですが全面的な導入は、全国の新聞社で初めてのことでした。




●コンピューター画面を見ながら紙面づくり

 昭和62年(1987年)に導入した電子編集システム(CTS)は、紙面づくりの上で大きな成果をあげることができましたが、その後の急速なコンピューター技術の進歩もあって、平成9年(1997年)11月、新たな新聞制作システムを構築、毎日の紙面づくりに威力を発揮しています。

 とくに、従来はシステム全体を同じメーカーの製品でまとめることが主流でしたが、岩手日日新聞社では異なるメーカー、機種を組み合わせた「マルチベンダー」と呼ばれる考え方で、コンピューターをネットワークで結びつけました。

 これは、それぞれのメーカーが得意とする技術を結びつけることで、システムの効率性や機能を最大限に引き出そうとするものです。

 もちろん、記事や見出し、地紋、カット、写真など、紙面を構成する素材がすべてデジタル化され、増大するカラー紙面にも素早く対応できるようになりました。長野五輪の報道でも、すばやいカラー紙面報道に大いに力を発揮しました。

 活躍する「れいんぼー」

 電子編集システム(CTS)は、「地域発展のかけはしになってほしい」との願いをこめて、編集局内では「れいんぼー」という愛称で呼ばれています。

 高度なシステム技術が生かされていますが、まず心臓部となる各種サーバのほか、記者がワープロでまとめたあと、オンラインで送られてくる原稿を受ける集配信装置、見出しを作ったり、多彩な機能をもった組み版装置、記事をページごとに振り分けたり、記事を管理する編集装置、それに写真電送・加工処理装置、組み上げたデータを印画紙やフィルムに高解像度出力するプロッターなどから構成されています。

 紙面を多彩に

 毎日の紙面は、さまざまな情報で作られています。担当デスクが全神経を注ぐ地元密着のニュースや世界各地で行われるスポーツ、経済動向を映し出す株式情報、毎日目が離せないテレビ番組…新システムは難しいコンピューター技術を意識しないで、多彩な紙面づくりを可能にしてくれました。



ちょっと調べませんか
用意するものは写真が掲載された新聞と虫メガネ。虫メガネでよく見ると、写真は大小の点の集まりであることがわかります。こいところは大きな点、うすい部分は小さな点が集まっています。

カラー写真
 赤、青、黄を「3原色」といいます。これを組み合わせるだけでどんな色もできます。カラー写真の印刷は紙面に掲載する写真を3原色と黒に分解して、4枚のフィルムを作り、版画を重ね刷りするように、輪転機で1色ずつ重ねて印刷しています。



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