新たに発見の4点含む16点
奥州市牛の博物館の夏季企画展「厩の記憶~なぜ猿はそこに居たのか」は29日、同市前沢区の同館で始まった。2010年になって江刺区内で発見された4点を含む市内の厩猿(うまやざる)をすべて集め公開するとともに、失われつつあるサルと牛馬のかかわりについて検証している。
厩猿は、サルの頭骨や手の骨を厩、牛舎などに飾る信仰、風習で全国的に見られる。同市は全国市町村で最も確認数が多く、今回の企画展開催に当たっては、頭骨16点すべてを所有者から借り受けるなどして展示した。また、これに関連して全国の牛馬安全札60点なども紹介している。
同館の川田啓介主任学芸員によると、市内で発見された厩猿は大人の雄、雌から赤ん坊までさまざまな年齢にわたり、頭に銃弾の貫通痕がある個体もあることから、銃を使って一網打尽に捕らえられた可能性が高い。大人は前歯が大きくすり減っており、冬の食べ物確保が難しい東北のサルに共通して見られる特徴だという。
また、なぜ厩にサルが祭られたのかについては、馬猿(まさる)を「魔去る」と掛けて、牛馬の魔よけとして意味を持たせたという見解を示している。
企画展は10月31日まで。入館料のみで見ることができる。開館時間は午前9時30分~午後5時。月曜日休館(ただし8月16日は開館)。問い合わせは同館=0197(56)7666=へ。