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コラム 記者ワープロ

平泉関連遺跡群発掘調査団 前沢 寺ノ上経塚で学術調査開始

(10/8)
平泉関連遺跡群発掘調査団によって再調査が進められている渥美大型壺などが出土した経塚。直径約10メートル、高さ約1.5メートルの表面には河原石が張り付けられている

平泉関連遺跡群発掘調査団によって再調査が進められている渥美大型壺などが出土した経塚。直径約10メートル、高さ約1.5メートルの表面には河原石が張り付けられている

特殊形態を明らかに

 奥州市前沢区古城の寺ノ上経塚で7日、全国の中世考古学者で組織した平泉関連遺跡群発掘調査団による学術調査が始まった。渥美産の大型壺(つぼ)とその周辺から法華経を墨書したかわらけが出土している特殊な経塚遺跡で、その形態を明らかにするのが狙い。10日には現地を公開し、調査成果を紹介する。

 経塚は経典を後世に伝えるため地中に埋納した場所で、寺ノ上経塚では4基の経塚が確認されている。現在は全てに盗掘坑があるが、このうち1基が1970年に地元住民によって掘られ、詳細な出土状況は不明だが、12世紀中ごろの渥美壺とその周辺から法華経を墨書した手づくねかわらけが見つかっている。

 調査団長の八重樫忠郎平泉町まちづくり推進課長によると、経塚は土中に石室をしつらえ、石や陶器の外容器の中に経巻を納めた銅製の経筒を安置しているのが典型で、壺は経典を保護するための容器だが、寺ノ上経塚の墨書かわらけは渥美壺に収まらず、全国的にも非常に特殊な形態の経塚だった可能性が高いという。

 調査はこの経塚の形態を明らかにし、墨書かわらけの破片を採取するのが目的。「奥州藤原氏が京都の文化を取捨選択して受容し、権威を高めるために利用していた様相が経塚からも読み取れるのではないか」と調査の狙いを語る。

 調査団は平泉研究を考古学によって深化させることを目指し、日本学術振興会の2013年度採択科学研究費助成事業(基盤研究B)「平泉研究の史料学的再構築」(研究代表者・柳原敏昭東北大大学院教授)により結成された。12世紀の常滑壺が出土し、平泉との交易から関連が想定される北海道厚真町宇隆1遺跡で14年度に最初の学術調査を実施している。

 現地公開は午前10時から1時間を予定。参加希望者は国道4号の古城歩道橋近くの丁字路交差点を西進し、案内板に沿って道なりに進む。