ホーム 県内外 一関・両磐 胆江 北上 花巻 動画ニュース
2016年12月
« 11月  
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031
コラム 記者ワープロ

思い一つ 紡いだ物語 町民劇場「風の旅人」

(10/31)
地元の伝説や故事を盛り込んだ物語を町民キャストが熱演した金ケ崎町民劇場「風の旅人」

地元の伝説や故事を盛り込んだ物語を町民キャストが熱演した金ケ崎町民劇場「風の旅人」

感動の舞台、観衆魅了

 【金ケ崎】第8回金ケ崎町民劇場「風の旅人」は30日、同町西根の中央生涯教育センターで午前、午後の2回公演で行われた。文人・菅江真澄と少年源次との心の交流を柱に、地元の歴史や化けギツネ「檀原の太郎狐」など郷土に残る妖怪伝承、笑いと感動もふんだんに盛り込まれた物語を町民らが熱演。スタッフ・キャスト86人で思いを一つに紡ぎ上げた町民舞台が観衆を魅了した。

 地誌作成のため金ケ崎を訪れ、農家に宿を借りた菅江は病弱で人と接することが苦手だった源次と打ち解けた。何かを隠している様子の菅江に不審の目を向ける人々もいる中で、怪奇なうわさが出始める-とのストーリーで舞台は進行。妖力を弱めていた太郎狐と出会った源次は救おうとするがついに病に倒れ、菅江は源次を助けるため妖怪たちの重要な場所だった洞窟に居座る盗賊たちに太郎狐と共に挑み、妖怪たちの力を復活させ、源次の命を取り留めた。

 菅江役の中村洋介君(金ケ崎高校2年)、源次役の後藤樹君(金ケ崎中学校2年)をはじめ、今回のキャストには児童生徒が多数参加。かつて貧困の中で自分の子をあやめた苦悩を抱えつつも、病に倒れた源次への思いを強め必死に奮闘する菅江や、残り少ない命を自覚しながらも菅江との出会いで自らを変え、前向きに進もうとしていく源次の姿など、心情を含めた難しい役どころをそれぞれが生き生きと演じた。

 2公演合わせて433人が来場。祭りの場面での富士麓行山細野鹿躍(ししおどり)による演舞や本物の餅まきなどの演出には会場が盛り上がる一方、物語の終盤には食い入るように見入り、上演後は大きな拍手が湧き起った。午前の部を鑑賞した柴田いち子さん(奥州市)は「面白かった。年を積み重ねて毎年進化しているし、小中高生が頑張っているのが好感が持てた」と語っていた。

 大舞台を終え、キャストの表情には充実感があふれた。太郎狐を演じた及川紗愛さん(金ケ崎中3年)は、「思った以上にお客さんがいてびっくり。緊張してせりふを間違えたところもあったが、練習通りにできた」と笑顔を見せていた。