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コラム 記者ワープロ

南部神楽を映像資料化 伝承、ファン拡大へ

(11/11)
南部神楽の映像資料化のため、撮影の準備をする狼ケ志田神楽保存会の会員ら

南部神楽の映像資料化のため、撮影の準備をする狼ケ志田神楽保存会の会員ら

市文化遺産活用実行委
3カ年計画 収録に着手

 【奥州】岩手県南・宮城県北に伝わる南部神楽の後継者育成などを目的に奥州市文化遺産活用実行委員会は、同市の団体が受け継いできた舞を映像として記録・保存する事業に乗り出した。全て収録するには3年を要するが、年にDVD1枚の映像資料を完成させ、順次県内の図書館や各保存団体などに配布。“田舎のミュージカル”として親しまれる神楽の伝承とファンの裾野拡大を図っていく。

 みちのく奥州文化遺産継承会など市内の団体でつくる同実行委が、文化庁の「文化芸術振興費補助金・文化遺産を活(い)かした地域活性化事業」の補助を受けて実施。映像制作会社に依頼し2016年度から3カ年で進める計画で、同市胆沢区に伝わる「狼ケ志田(おえなしだ)神楽」の映像を収録する。

 山伏神楽の影響を受ける南部神楽は、説話や伝説、奥浄瑠璃などを題材に脚色・劇化した演劇性の強い舞で、独特のせりふ回しなどを取り入れながら発展し、農村の若者らに強く支持されてきた。

 狼ケ志田神楽は1861(文久元)年、同区小山中沢地区より山伏神楽として伝授されたのが始まりとされる。92(明治25)年に一関市の達古袋(三輪流)神楽から舞を習得し、1世紀半にわたって継承されている。

 現在、狼ケ志田神楽保存会(高橋先雄庭元)が上演可能なのは12演目。このうち「岩戸開」や「御神楽」「三番叟」などDVD1枚に収録する5演目を10日に同区南都田の胆沢文化創造センターで撮影した。舞はもちろん、かねや太鼓の音、せりふ一つも漏らさず資料化するため、舞い手は気合十分の演技で撮影に臨んでいた。

 今事業では2018年度までに映像資料のほか、鑑賞者用解説冊子も作成する予定。県文化財保護指導員の宍戸敦さん(57)は「見る側が南部神楽の動きやせりふを理解し切れていないことが多く、魅力が伝わっていないことが残念だった」と吐露。「後継者育成に加え、映像や冊子によって多くの人に神楽に関心を持ってもらいたい」と期待を込めている。