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コラム 記者ワープロ

新平直筆書軸、古里へ 孫の岡本さん(東京)寄贈

(11/28)
後藤新平直筆の掛け軸「自治三訣」を寄贈した孫の岡本裕子さん(左から2人目)ら。右は小沢市長

後藤新平直筆の掛け軸「自治三訣」を寄贈した孫の岡本裕子さん(左から2人目)ら。右は小沢市長

 奥州市出身の政治家後藤新平(1857~1929年)が揮毫(きごう)した掛け軸「自治三訣(さんけつ)」が26日、市に寄贈された。同市水沢区の後藤新平記念館(髙橋力館長)に直筆の掛け軸はなく、市は「記念館で大切に管理し、多くの人に見てもらいたい」と喜んでいる。

 掛け軸は、新平の後添い、河﨑きみさんとの五男小五郎さん(2011年7月死去)の遺志を踏まえ、小五郎さんの長女で新平の孫岡本裕子さん(62)=東京都世田谷区=が長女の丸山愛弓さん(28)を伴って同記念館を訪れ、小沢昌記市長に手渡した。

 10年11月に小五郎さんが姉2人と同記念館を訪れた際、常設展示できる新平直筆の「自治三訣」がないことを知ったのが発端。帰宅後、「記念館で広く公開してもらうよう寄贈したい」と岡本さんに伝えたものの、表装を業者に依頼後に死去したことから岡本さんが寄贈を申し出た。

 掛け軸は「人のおせわにならぬやう 人のお勢わをするやう そしてむくいをもとめぬやう」と毛筆で右から縦3行に書かれている。上部に「自治三訣」、下部に昭和二年春」を横書で、「新平」を縦書きで添え、落款(らっかん)が計3カ所に押してある。

 子供にも分かるように漢字をほとんど使っていないが、2行目の「の」が変体仮名、お世話の世は「勢」で表記。新平が亡くなる2年前に書かれたとみられる。

 岡本さんは「子供の頃、実家の床の間に飾ってあった。父が大事にしていたものを、託された父の思いと一緒に無事に届けることができ、安心した」と話した。

 小沢市長は「非常にありがたい。世界に誇る大人物で、先生の思いが直接伝わってくるような揮毫。大切にして皆さんに偉業を伝えていきたい」と感謝した。

 「自治三訣」は、「自治こそが人間生活の根源」と唱えた新平の自治論を表す言葉。ボーイスカウト日本連盟初代総長時代に子供たちに贈ったとされる。同記念館は関連の書簡や講演原稿などは所蔵するが、直筆の掛け軸などはなかった。

 髙橋館長は「来年は後藤新平伯の生誕160年でいろいろな事業に取り組む。掛け軸を記念事業の一つとして市民、研究者の皆さんに見てもらいたい」と話している。

 掛け軸は、1週間ほど展示した後、本格的な展示の準備を経て、改めて公開する予定。同館は月曜日休館。