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コラム 記者ワープロ

“東奥の奇祭”勇壮に 黒石寺蘇民祭

(2/5)

蘇民袋や小間木をめぐって全国から集まった男衆が激しい奪い合いを繰り広げた黒石寺蘇民祭

響く掛け声、山内節
男衆 熾烈な争奪戦

 【奥州】“東奥の奇祭”と称され、奥州市に伝わる黒石寺蘇民祭は3日夜から4日朝にかけて同市水沢区黒石町の同寺で行われた。五穀豊穣(ほうじょう)や無病息災を祈願し、1000年以上の歴史を誇る伝統行事。県内外から集まった約140人の男衆が蘇民袋や小間木をめぐって熾烈(しれつ)な争奪戦を繰り広げ、境内は裸男たちの熱気に包まれた。

 薬師信仰を伝える祭りとして全国に知られる黒石寺蘇民祭は毎年、旧暦の1月7日夜から8日朝にかけて行われている。今年は雪、風ともほぼなく、寒さが緩んだこともあり全国から多くの見物客が足を運んだ。

「柴燈木登」では角灯を手にした男衆が「ジャッソー、ジョヤサ」の気勢を上げて身を清めた

 祭りは3日午後10時からの角灯を突き上げた男たちが瑠璃壺川(山内川)に入り、水垢離(ごり)で身を清める「裸参り」でスタート。本堂前では人の背丈ほどに組み上げられた松の井桁に登る「柴燈木登(ひたきのぼり)」が行われ、登った男たちが火の粉と煙を浴びながら「ジャッソー、ジョヤサ」の掛け声と山内節を勇壮に響かせた。

 住職と総代がほら貝や太鼓を従えて薬師堂に登り、厄払いと五穀豊穣を祈祷(きとう)する「別当登」、鬼面を逆さに背負った男児をおぶって薬師堂に入る「鬼子登」と続き、4日午前5時すぎに本堂でクライマックスの「蘇民袋争奪戦」が始まった。

 裸男たちは蘇民袋の口や将軍木(かつのき)で作った小間木をつかもうと渦状になりながら荒々しい奪い合いを展開。決着は本堂から境内を抜け、同寺を飛び出して路上でついた。

 争奪戦を制して初の取り主となった伊東英昭さん(59)=一関市桜木町=は、20歳の時から参加しているベテランで「今年は還暦を迎えるので最後のつもりで参加した。伝統ある蘇民祭での取り主はうれしい。袋を取れたのは諦めないことと運が味方したのではないか」と語っていた。