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コラム 記者ワープロ

「前沢牛」GⅠ登録 県内で初めて 販路拡大に期待膨らむ

(3/4)

農水省のGⅠに前沢牛が県内で初めて登録。牛舎で出荷を控えた肉牛の毛並みを整えながら「前沢牛のブランド力がさらに高まる。国内外の販路拡大も十分期待できる」と話す佐藤支部長

 農林水産省は3日、地域に根差した農産品ブランドを国が保護する地理的表示(GI)制度に、奥州市前沢区の「前沢牛」を追加登録した。2015年6月の制度開始以来、本県では初の登録。国が牛肉の品質にお墨付きを与えることでブランド価値の高まりが期待され、地元生産者は「GI登録が生産意欲を高め、高品質な肉牛の生産につながる。国内外での販路拡大も期待される」と意気込む。

 GI制度は特定の産地で特徴的な原料や製法を使い生産、製造された農林水産物や食品が対象。登録されたブランド名は国内で知的財産として保護され、悪質な不正使用には罰則も科される。

 追加登録された前沢牛は、同市前沢区でのみ生産され、日本食肉格付協会の定める歩留等級がAまたはBで、肉質等級が4以上の牛肉を指す。GI制度には、商標権を持つ岩手ふるさと農協(門脇功経営管理委員会長)が16年7月に登録申請した。

 農水省が、地域に密着した生産や生産年数が25年以上を超えていること、全国肉用牛枝肉共励会での名誉賞(農水大臣賞)を通算6回獲得、全畜連肉用牛枝肉共進会の最優秀賞(同)も通算5回獲得するなど、良質な肉牛生産と技術向上の取り組みなどを高く評価した。

 GI制度で牛肉としては前沢牛が5番目の登録。但馬牛、神戸ビーフ(ともに兵庫県)が15年に登録されており、今回は特産松阪牛(三重県)、米沢牛(山形県)も登録された。GI制度の登録数は計28品目となった。

 3日は農水省で登録証の授与式が行われ、同農協関係者が受け取った。門脇会長は「前沢牛がGI制度の産品として登録できたのは生産者のたゆまぬ努力の結果。生産者と共にさらに努力を重ね、日本一を誇る前沢牛の名声を高めていきたい」と述べた。

 生産者67人で組織する同農協肉牛部会前沢支部長の佐藤孝一さん(63)は、前沢区生母地区で年57頭を飼養する。GI登録の吉報に「前沢牛のブランド価値が上がるだけでなく、需要の掘り起こしにもつながり生産意欲が高まる」と話す。

 同制度では登録された食品は専用マークを付けて販売され、消費者は類似品や模倣品と見分けやすくなる。生産管理の状況や品質のチェックのほか、海外の模倣品は国が取り締まるため、生産者の負担は軽減される。佐藤支部長は「海外にも同様の制度があり、今回の登録で輸出でも海外と渡り合える。国内外の販路拡大が図られる」と前沢牛発展の追い風に期待を込める。