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コラム 記者ワープロ

住民側の請求棄却 盛岡地裁 胆沢中用地産廃処理訴訟

(4/22)

公金支出、違法性なし

 奥州市の胆沢中学校建設用地から見つかった産業廃棄物を公金で処理したのは違法だとして、市民有志13人が奥州市長ら市の現・元職員7人に対し、処理費用6316万5960円の損害賠償を求めた訴訟の判決が21日、盛岡地裁であった。小川理津子裁判長(中村恭裁判長代読)は市の公金支出に違法性はなく、原告側の請求を棄却した。

 原告側は、売買対象となった同市胆沢区南都田字蛸の手地内の胆沢中建設用地に埋設された廃棄物を売り主が見落としたことを踏まえ、市が2013年2月に交わした土地売買の仮契約や、14年5月に売り主の相続人との間で交わした売り主の瑕疵(かし)担保責任を免除する覚書について、市の規則に違反していると主張。結果的に敷地造成工事をしていた14年10月にコンクリートなどの廃棄物239・59トンが見つかり、処理費用を市が全額負担せざるを得なくなり、違法な公金支出があったと訴えていた。

 判決で小川裁判長は、市が所有地に廃棄物が埋蔵されているのを発見した場合、除去するのは当然であり、そのための公金支出自体は違法ではないと指摘。覚書の締結によって売り主に対し撤去費用の損害賠償請求ができなくなったことには、覚書は売り主に対する請求ができるか否かに関わる問題であり、締結自体を財務会計行為として違法性を争う余地はあるが、撤去費用の支出行為は違法ではないと判断した。

 覚書締結の違法については、覚書の決裁が市長で終えず、前教育長(賠償を請求した元・現職員の1人)限りで終えたことに対しても事務処理の円滑化と、前教育長の責任を明らかにするためであり違法性はないとした。このため、被告の奥州市長に対する請求は理由がないため棄却し、6人の元・現職員への請求は不適法として却下した。

 小川裁判長は判決文に、建設用地のボーリング調査で地中にコンクリート殻が存在していた証拠を受け、廃棄物の埋設を調査しなかった市に対し、結果的に覚書の作成など市の対応は公金支出を余儀なくさせたものとし、「原告側の請求は棄却したが、市と担当者の対応に問題がないと認めたものではない」と付言した。

 判決を受け小沢昌記市長は「勝訴という形になりこちらが控訴することはない」と語り、裁判長の付言部分については「受け止める部分もあるし、そうでない部分もあり、十分に検討する余地がある」とした。

 一方、原告の代表を務める高橋信一さん(73)=同市水沢区=は「敗訴の理不尽な判決で納得がいかない。売り主に瑕疵担保責任があるものと信じており、判決は遺憾。今後の対応は協議して決めたい」と語った。