ホーム 県内外 一関・両磐 胆江 北上 花巻 動画ニュース
2017年6月
« 5月  
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930 
コラム 記者ワープロ

同一人物? 長英多彩 水沢・記念館 肖像画20点を公開

(6/3)

風貌の異なる高野長英が並ぶ肖像画展

 【奥州】奥州市立高野長英記念館(及川初雄館長)は、春の企画展「高野長英肖像画展」を同市水沢区中上野町の同館で開いている。時代を超えて多くの画家に描かれた長英のさまざまな姿を見ることができる。11日まで。

 江戸末期の蘭学者で開国を説いて幕府の弾圧を受け、47歳で死去した長英の肖像画から郷土の偉人の実像に迫ろうとの趣旨。生誕200年でリニューアルした2004年以前に常設展示していた所蔵資料を公開した。

 手配触書(1844年)の人相書きで「鼻高く」「髪厚く」などとされた長英。展示資料は髪形や表情など風貌が大きく異なる掛け軸5点をはじめ、「少年読本」などに掲載された挿絵、歌舞伎の錦絵など関連を含め20点ほどを紹介している。

 掛け軸は、蘭学研究グループの尚歯会で交流があり長英著「二物考」の挿絵も担当した渡辺崋山がだるま絵に見立てたとされる肖像画を鷹巣英峰が模写制作し、異彩を放つ。明治の郷土画人佐藤耕雲が長英の親戚の話を聞いて描いたまげを結った侍の姿、短銃を右手で水平に構えた立像などもあり、同一人物を描いたとは思えないほど。

 先端を細く削った道具を押し付けて文字跡を残す「角筆(かくひつ)」で親類宛ての手紙を書く獄中の長英。初代市川左団次が明治座で長英を演じた「新狂言高野長英記」の錦絵(1899年)なども。

 長英の肖像画として広く知られるのは、正座した膝の上で手を組む和服姿の「高野長英像」(国指定重要文化財)。南画家・椿椿山(つばきちんざん)作で、師匠の崋山のスケッチを基に描いたともいわれる。親戚の後藤新平が愛知の人に譲られて東京市長室に掲げていたといい、後藤の判もある。

 同館の及川彩学芸調査員は「画家たちのさまざまな思いが表れている絵を一堂に展示した。ぜひ来館してそれぞれの長英を想像しながら見てもらえれば」と話す。

 午前9時~午後4時30分。月曜日休館。入館料は一般200円、高校生以下無料。