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10メートル法電波暗室を整備 来年3月完成予定 県、ものづくり企業支援【岩手】

県工業技術センター敷地内に整備される「ものづくりイノベーションセンター(仮称)」の完成イメージ

 県は、盛岡市北飯岡の県工業技術センター敷地内に県内で初めて国際規格に対応した10メートル法電波暗室を備えた「ものづくりイノベーションセンター(仮称)」を整備する。着工は8月で、2018年3月の完成を予定している。開放型研究施設としても利用可能で、県内企業の次世代ものづくりの技術支援体制の強化を図る。 県が推進する産業競争力強化支援拠点整備計画に基づき、新たに整備するものづくりイノベーションセンターは鉄骨平屋建てで、床面積約1760平方メートル。総事業費は12億4000万円で、半分は国の地方創生拠点整備交付金を利用する。

 自動車や半導体などの本県中核産業分野や医療機器、航空機産業など、ものづくり成長分野への進出に向け、技術支援体制を強化する。

 電波暗室は電子機器や部品が放つ電磁波の量を測定するほか、他の機器に与える影響などを調べるもので、県内では主に医療機器や電気自動車分野での利用が見込まれている。これまで県内には3メートル法の電波暗室のみで、国際規格に対応した10メートル法の電波暗室はなく、県内の医療機器を製造する企業などは関東で測定を行っていた。今回新設されることを受け、県工業技術センターでは製品の製造コスト削減や開発スピードアップにつながると期待している。

 このほか、IOT(モノのインターネット)・ロボット開発機能や3D設計など3次元デジタルものづくり技術を活用した設計、試作などの機能を備えるとともに、県内企業が利用可能な開放型研究施設とする。

 同センターの冨手壮一企画支援部長は「10メートル法電波暗室は多くの県内企業から要望があったので、ぜひ活用してもらいたい。県内企業の新分野進出と競争力強化に向けた支援につなげていきたい」としている。

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