奥州・金ケ崎

来月中旬に構想素案 新病院建設計画 策定委が初会合 奥州市

新市立病院建設基本構想・基本計画策定委の初会合

 奥州市の新市立病院建設基本構想・基本計画策定委員会は6月29日夜、水沢区大手町の総合水沢病院で初会合を開いた。市医療局や市長部局、市教委の委員16人で構成する内部検討組織で、現状の課題抽出や新しい病院のコンセプト考案などについて協議していく。有識者の外部組織や市議会から助言、提言を得ながら今年度内の策定を目指す。

 同日は委員、事務局の市医療局経営管理課、新市立病院建設準備室、構想・計画策定支援業務を担当するコンサルタント業者の関係者ら25人が出席。

 委員長を務める市医療局の柏山徹郎病院事業管理者は「総合水沢病院は東日本大震災でダメージを受けるなど老朽化が顕著になり、耐震診断の結果を受け、早急な移転新築が必要との結論が出された。胆江二次医療圏でのグランドデザイン、新病院の機能、市医療局3診療所の方向性、医師確保など多くの課題が突き付けられている。策定委では、有識者会議や市議会に説明して今年度中には新しい病院の姿を示したい」とあいさつした。

 委託業者が作成した基礎環境調査の内容や、基本構想の進め方について協議。病院整備のコンセプトについて柏山委員長は「基本構想の重要な部分であり、コンセプトが決まることで病院の姿が見えることになる。その裏付けなどを考えてほしい」と語った。

 事務局の建設準備室によると、策定委は毎月開催し、基本構想は8月中旬まで、基本計画は10月ごろまでにそれぞれ素案を作成する予定。並行して関係部局の実務者による事務局会議を月2回程度開催し、建設場所についての考え方、選定方法なども話し合う。

 8月下旬には外部検討組織の有識者会議を設置し、今年度内に3回開催する予定。構想・計画への助言、提言を求める。

 

質問書を市長に提出 奥州三師会

 奥州医師会(関谷敏彦会長)など3団体は30日、奥州市の新市立病院の整備に関する質問書を小沢昌記市長に提出した。市の医師確保の考えなど5項目の回答を求めた。

 同日は、関谷会長と奥州歯科医師会の小熊秀佳会長、奥州薬剤師会の小野寺豊会長が市役所を訪れ、「奥州三師会」としての質問書を小沢市長に手渡した。

 質問内容は▽これからの地域医療構想をどのように捉えているのか▽新市立病院の医師確保はどのような計画になっているのか▽新病院のコンセプトをどのように想定しているのか▽釜石市民病院など過去に閉鎖や破綻した病院の経緯を把握しているのか▽現建物の必要な部分を改築し、耐震化することは不可能なのか-の5項目。

 関谷会長は「建設に反対している訳ではないが、多額の費用が伴う大きな事業のため失敗に終わったでは済まされない。われわれが納得できるものを持って進めてほしい。医師確保策を明確にするなどきちんとしたものを持つのであれば協力したい」と指摘した。回答の内容次第では有識者会議などへの参加を控えることもあるという。

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