奥州・金ケ崎

深沢紅子野の花ワールド 花きセンターに新設 絵画鑑賞花壇で散策も【金ケ崎】

絵画作品に描かれた草花・花木が植栽されている野の花花壇。散策しながら季節ごとの植物が観察できる

 金ケ崎町六原の県立花きセンターは11日、新たに開設した深沢紅子野の花ワールドのオープン式典を同センターで催した。盛岡市出身の画家深沢紅子さん(1903~93年)が描いた草花の絵画ギャラリーと実際の草花を植栽した花壇を設置。野の花を生涯愛し、描き続けた深沢さんの世界を堪能できる。

 ギャラリーが開設された花の館での式典には約70人が出席。主催者の高橋則光県立農業大学校長が「来場者にもっと花に親しんでもらう目的。世代を問わず観光客を含め幅広く皆さんに楽しんでもらい、心を癒やしてほしい」とあいさつした。

 深沢紅子野の花美術館(盛岡市)の石田紘子前館長は「世界の植物がたくさん見られる施設に岩手を代表する画家の作品と野の花が展示され、他にまねのできない日本にたった一つのセンターになり、うれしい」と祝辞を述べた。

 町内のたんぽぽ保育園の年長児25人が元気に遊戯を披露後、見学に訪れた町内や北上市内のグループホームなど3施設のお年寄りらにリンドウとスプレー菊の花束を手渡して歓迎した。

 ギャラリーには「野の花の画家」として全国にファンを持つ深沢さんが描いたかれんな草花の水彩画100点(複製)を展示。春のエビネランや福寿草から初夏のスズラン、夏のナデシコ、秋のナンテンまで季節ごとに並べ、一回りサイズの大きい6点を管理棟休憩室に飾っている。

 花の館と展示温室・管理棟との間に設置した野の花花壇には、これらのうち、アヤメや忘れな草、ホタルブクロなど82点を植栽。ロックガーデンのせせらぎのほとりを散策しながら作品に登場する植物の観察を季節ごとに楽しめる。

 1989年の開館以来初めてとなる大幅なリニューアルを2016年度から進めた取り組みの一環。花の館ホールでは新たに無料の貸しギャラリーも始める。

 同センターは午前10時~午後4時。月曜日(祝日の場合は火曜日)休館。入場無料。

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