郷土への思い形に 平泉中3年生 キャンドルを制作
平泉町立平泉中学校(青柳清隆校長)の3年生54人は、紙パック製の灯籠と、寺のともし残りのろうそくを再利用した「世界遺産キャンドル」を制作している。生徒が郷土平泉への願いや思いを形に表現。8月に観自在王院跡で開催される「平泉浄土のあかり」で完成した灯籠に明かりをともすほか、キャンドルは同校文化祭での展示を予定している。
総合的な学習の時間で実施。計6時間の授業で町民有志が取り組む「平泉浄土のあかり」と「世界遺産キャンドル」に託された思いや願いに理解を深めた上で、作品制作に取り組んでいる。
10日はNPO法人みんなでつくる平泉、世界遺産キャンドルプロジェクト実行委員会の会員や、地域婦人会の有志を講師に、キャンドル作りと灯籠の紙パックに描いたイラストなどを切り抜く作業を行った。
世界遺産キャンドルに関しては、東日本大震災発災時に町内の寺からともし残りのろうそくを提供されたのがきっかけで始まり、昨年の世界遺産学習サミットで先輩が平和と復興への願いを込めて制作したこと、ろうそくには多くの拝観者の願いが込められていることなどを知った上で作業に取り掛かった。
同実行委の野呂美帆さん(43)の「平泉学の集大成として平泉への思いを形にしてほしい」との呼び掛けに、小野寺怜香さん(14)は「世界遺産に登録された平泉が10年先も15年先もずっとこのまま平和であれば」と願いを込めて制作。「光あふれる平泉の未来」をテーマに灯籠に大仏や大文字山をデザインした高橋昇也君(14)は「光とは楽しいこと。自分だけでなく世界の皆が幸せであれば」と話していた。
平泉浄土のあかりは来月16日、同校文化祭は10月に予定されている。