花巻

座敷に舞う100年の芸 小瀬川神楽鑑賞会 26年ぶり「蕨折り」も上演【花巻】

座敷神楽の風情で愛好家らを魅了した小瀬川神楽創立100周年記念の神楽鑑賞会

 花巻市小瀬川で伝承されている小瀬川神楽の創立100周年にちなんだ神楽鑑賞会(記念事業実行委主催)は16日、同市小瀬川の小瀬川公民館で開かれた。「師匠」の円万寺神楽と、同門の「先輩」に当たる上根子神楽も出演し、市内に伝わる「円万寺系」3団体がそろい踏み。屋内上演による座敷神楽の風情で計7演目を披露し、市内外から訪れた愛好家らを魅了した。

 小瀬川神楽は式舞の鶏舞と三番叟(さんばそう)のほか、蕨(わらび)取りに行った娘が増水した川を渡るために船頭のぜい翁(おう)と取引する狂言「蕨折り」を上演。1991年以来26年ぶりとなる蕨折りは、道化役の山人(やまど)を中心としたやりとりが見どころで、なまりの強い軽妙な節回しが来場者の笑いを誘った。

 会場には愛好家ら約130人が詰め掛けた。盛岡市から訪れた公務員の田村聡さん(48)は「神楽は笛や太鼓の音色もいいけれど、神話などを題材にしたストーリーも面白い。26年ぶりという演目も含め、100年の伝統の舞をじっくり楽しみたい」と笑顔を見せた。

 閉会後は餅まきを経て記念式典を行い、一同でさらなる発展に向けて決意を新たにした。小瀬川神楽保存会の及川敏会長は「これまで続いてきたのは神楽を伝承してきた先輩や支えてくれた地域のおかげ。今後も10年、20年と年を重ね未来永劫(えいごう)、小瀬川神楽が続くよう後進の育成に努めたい」と話していた。

 記録によると、小瀬川神楽は1917年12月に円万寺神楽に師匠としての指導を依頼し、18年2月に地元で舞い初めを行ったのが起源とされる。7拍子のたおやかで優雅な特徴を忠実に受け継ぎ、99年3月に市無形民俗文化財に指定された。

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