奥州・金ケ崎

奥州・水沢、旧緯度観測所 本館含む4件答申 国の登録有形文化財

旧緯度観測所本館

 国の文化審議会(馬渕明子会長)は21日、奥州市水沢区星ガ丘町の旧緯度観測所本館など同観測所関連4件を登録有形文化財(建造物)に登録するよう答申した。登録されれば、本県の同文化財は83件となる。

 答申されたのは▽同観測所本館(現奥州宇宙遊学館)▽旧臨時緯度観測所本館(現木村榮(ひさし)記念館)▽同眼視天頂儀室▽同眼視天頂儀目標台および覆屋-の4棟。

 旧緯度観測所本館は1921(大正10)年12月に建築され、木造2階建て。柱形、窓配置など垂直線を強調した外観が特徴。2代目の本館として67年の現庁舎(国立天文台)新築まで使用された。老朽化により解体の危機に直面したが、2007年4月2日付で国立天文台から市に譲与され、耐震補強・改修工事などを経て奥州宇宙遊学館として開館している。

 旧臨時緯度観測所本館は、世界に6局開設された一つで、初代本館として1900(明治33)年に建築された。木造平屋建てで、正面中央に玄関が張り出した配置で、観測所の歴史と「Z項」の発見などで知られる初代所長の木村氏の功績を今に伝えている。

 眼視天頂儀室は観測のため屋根がレール上を移動して上部が開放される仕組みで、外壁は空気循環を意図した鉄製よろい板で造られ、万国測地学協会の統一的な仕様。目標台と覆屋は、国内で現存例の少ない天頂儀較正(こうせい)の施設となっている。

 

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