一関・平泉

水難防止 ここに誓う 磐井川水天宮 現在地で最後の例大祭【一関】

磐井川堤防改修工事に伴い、現在地では最後となった磐井川水天宮の例大祭

 一関市田村町の磐井川水天宮で1日、例大祭が催された。磐井川堤防改修工事に伴い移転が決まっていることから、現在地では最後となる例大祭には氏子ら約70人が参加。1947、48年のカスリン、アイオン両台風から70年を迎える中、神事で水難防止と一関夏まつり(4~6日)の成功などを祈願した。

 磐井川水天宮は、水難者を慰霊し水魔を払おうと27(昭和2)年に河川敷に建立された。カスリン、アイオン両台風で流失したものの、神木のケヤキにつかまって助かった人たちも多かったという。53年に水天宮奉賛会が結成され、同市田村町地内に神木を使って神殿を再建。旧一関図書館の建設に伴い72年に現在地に移転された。堤防改修工事で現在の水天宮のある場所は堤防脇の道路用地となるため、錦町水天宮通りと堤防が交差する場所に来夏までに移転することになっており、今回が現在地で最後の例大祭となった。

 水天宮の落慶記念で花火3発を打ち上げたのが現在も続く磐井川川開き花火大会の由来とされることから、一関夏まつりとゆかりが深く、例大祭は祭りシーズン到来を告げる恒例行事となっている。神事には奉賛会員や、夏まつり実行委員会、一関神輿(みこし)連合会の関係者、地区民が出席。佐藤正昭奉賛会長らが玉串をささげて地域の安泰を祈った。

 佐藤会長は現在地で最後の例大祭となったことに寂しさを感じながらも「自然災害の恐ろしさを語り継いでいくためにも、移転後も例大祭を続けていかなければならない」と決意を示し、一関夏まつりに向けては「若者と神輿を通して楽しみたい」と笑顔を見せていた。

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