北上・西和賀

田中選手(西和賀出身)世界女王 「スキーで22年五輪」へ意欲 ヒルクライム・スプリントレース

「RedBull400」で初の世界女王に輝き、優勝の喜びを語る田中選手

 西和賀町沢内出身でノルディックスキー・クロスカントリーの田中ゆかり選手(21)=東海大=は、ジャンプ台を駆け上がる400メートル走、ヒルクライム・スプリントレース「Red Bull 400」世界選手権大会(7月15日、ドイツ)の女子シングルの部で優勝した。7日に北上市で優勝の喜びと、目標とする2022年北京冬季五輪への思いなどを語った。

 田中選手は、沢内中学校から北海道・旭川大高に進学し、現在は東海大国際文化学部(札幌市)に在籍。全国中学校スキー大会や全国高校スキー大会、全日本学生スキー大会で優勝するなど輝かしい実績を持つ。

 高低差約140メートル、斜度35度のジャンプ台を一気に駆け上がるレースで、初の世界選手権大会。田中選手によると、女子シングルの部には世界各国から約110人が出場し、決勝では4分54秒2で見事優勝した。

 夏場のトレーニングを兼ね、トレイルランニングの大会を探す中、国内予選に当たる札幌大会(5月21日、大倉山ジャンプ競技場)をインターネットで知ったことが出場のきっかけ。

 「(初めての競技で)とても緊張したし、本当にきつかった」という札幌大会で優勝。世界選手権は「途中で厳しい場面もあったが落ち着いて走り切ることができた。初代王者は誰もがなれるわけではないのでうれしい」と笑顔を見せた。

 世界女王として来年の出場権を得た田中選手。連覇への思いを秘めつつ、目標の冬季五輪を見据える。卒業後は北上市の総合型地域スポーツクラブ・NPO法人フォルダ(司東道雄理事長)に職員として勤務する予定で、「これまで岩手の皆さんに支えられてきたので、今度は地元で頑張りたい」と意気込みを語った。

 司東理事長(51)は「世界一に輝いた潜在能力は素晴らしい。今後は北上を拠点にスキーで五輪を目指してほしい。そのために環境を整え、支えていきたい」とエールを送っている。

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