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キリンのユズ 脚に潰瘍 来園者から心配の声 関係者が懸命の治療 盛岡市動物公園 HPで経過報告【岩手】

脚に皮膚潰瘍などの疾患を抱えた盛岡市動物公園のキリン「ユズ」

 盛岡市動物公園のキリン「ユズ」(雌、9歳)の脚に皮膚潰瘍(かいよう)などの異常が見つかり、市民らから心配の声が多く上がっている。ユズはここ2、3年で複数のけがや病気を患い、年単位の治療が必要な状態。発症原因は不明だが、同園では傷が治りにくい体質が影響したとみて、投薬などの治療を続けている。今後は岩手大などの助言を得て原因究明に取り組みながら、同園のホームページ(HP)で治療経過を報告する。

 同園によると、ユズは2013年10月、東京都の動物園から来園。14年12月から脚や腹部に小さな傷が見られるようになり、今年6月には両後ろ脚の内側の傷がかさぶたの下で拡大して真っ赤な炎症を引き起こし、皮膚潰瘍と診断された。

 また、昨年12月には左前脚の関節周囲炎が悪化し、間接周りがこぶのように腫れ上がった。蹄(ひづめ)が伸びやすい過長蹄の症状もあってぎこちない歩行が目立ち、「とても心配だ」「治療はどうなっているのか」といった声がメールなどで寄せられるようになった。

 管理体制を問題視する声も上がったが、同園では発症後から常勤の獣医師や飼育員が治療。皮膚潰瘍については、塗り薬などの治療を続け、患部がやや縮小した。関節周囲炎は妊娠期間中に悪化したこともあり、体調を考慮し漢方薬で治療している。治癒には至っていないものの、徐々に歩行の状態が改善。過長蹄については体の大きさや性質の問題から頻繁な削蹄(さくてい)は難しいものの、順次回数を増やして対応する。

 ユズは7月に第2子を出産したばかり。辻本恒徳園長(56)は「疾患を抱えてはいるが餌もよく食べ、子供にも母親らしく接している。ストレスを与えないよう治療を続けていくので、この親子を温かく見守ってほしい」と話している。

momottoメモ

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