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収穫待つ「金色の風」 北上で栽培研究会 天候不順も生育順調【岩手】

県農業研究センターの試験圃場で「金色の風」の生育状況を確認する関係者=14日午後、北上市成田

 最高級のフラッグシップ米として今秋デビューする県産オリジナル水稲品種「金色(こんじき)の風」の県栽培研究会(鈴木哲也会長)は14日、北上市成田の県農業研究センターで開かれた。8月の低温、日照不足で生育状況が懸念されたが、関係機関からはおおむね順調に登熟が進んでいる状況が示された。22日ごろから刈り取り適期を迎えるとされ、関係者は実りの秋に期待を込めた。

 金色の風を作付けするいわて平泉、岩手ふるさと、江刺の3JAと管内の一関、奥州、金ケ崎、平泉の4市町、県関係機関の職員、奥州、金ケ崎両市町を中心とする生産者約60人が出席。各地域モデル圃場(ほじょう)の生育概況が報告され、出席者は県農業研究センターの試験圃場を視察した。

 中央農業改良普及センターの県域普及グループによると、金色の風の生育は7月までは非常に順調に推移。8月は気温、日照時間とも平年を大幅に下回り、初期登熟も平年より遅れたものの不稔は心配なく、いもち病も平年並みに少ない状況という。

 3JAの圃場では、一部で大雨などによる倒伏はあるものの「いもち病もなく、もみも徐々に黄色くなっている」(岩手ふるさと)、「生産者からは来年増やしてもいいとの声がある」(いわて平泉)、「茎数、穂数ともひとめぼれよりやや多い」(江刺)との状況が語られた。各農業改良普及センターも「順調に登熟が進み、来週末には刈り取りができるのではないか」(奥州)、「8月頭に出穂した圃場の黄化もみ割合は7割。いもち病や害虫もない」(一関)とした。

 県域普及グル―プは、出穂期からの登熟期間中の日照時間が少ないため登熟日数は長くなり、日照時間によって地域にばらつきが出るものの、金色の風は22日ごろから刈り取り適期とした。

 奥州市水沢区の圃場2ヘクタールで金色の風を作付けしている森岡誠さん(65)は「9月になり急に実り始めた。出穂時期がばらつき不安な面はあるが、実り的には悪くない」と話した。鈴木会長(74)=同市前沢区=は「8月は非常に心配したが、9月に天候が回復したら一気に黄化した。最後まで十分気を付け、いいものを消費者に届けたい」と気を引き締めた。

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