花巻

花巻城 史料から解析 きょうから市博物館 本丸御殿図を初公開【花巻】

花鳥図襖絵や龍図屏風など貴重な史料を紹介する「花巻城展」

 中世から稗貫・和賀地方を統括してきた花巻城の形成、存在をたどるテーマ展「花巻城展」は、16日から花巻市高松の市博物館で開かれる。初公開の本丸御殿図をはじめ、御殿を彩った襖絵(ふすまえ)や屏風(びょうぶ)、花巻城時太鼓、これまでの発掘調査で出土した遺物など53の貴重な史料を展示する。11月12日まで。

 花巻城はかつて稗貫氏の支配下に置かれ鳥谷崎城と呼ばれていたが、その後に南部氏が統治して改称。同展では南部信直に対して豊臣秀吉が送った朱印状、両者を取り持った前田利家の書状などを展示し、南部家が利家を介して豊臣政権と仲を深めたことを伝える。

 市博物館に寄託された花巻城本丸御殿の絵図は、これまで判明していなかった雪隠(トイレ)の位置や、「御廊下」で接続した役所内部などが描かれており、合わせて展示する花巻城図、城下図とともに当時の花巻の姿を明らかにする。

 水辺にたたずむ5羽の鶴を中心に川の流れや梅の枝、芭蕉の葉を表現した花鳥図襖絵、躍動的な龍図屏風は、花巻三画人の一人小野寺周徳が1809年の花巻城大改修の際に描いた傑作。並べて展示するのは貴重な機会とあって、小田桐睦弥学芸員は「本丸御殿の雰囲気を味わってもらえる。今回の展示は文献史学と考古を合わせているのが珍しく、分かりやすいと思う。花巻城の研究が進むのに合わせて今後も企画展を催し、重要な史跡の中に皆さんが住んでいることを知っていただきたい」と話している。

 同展の関連事業として、初日の午後1時30分から講演会「中世稗貫の城館と鳥谷崎城」、10月8日午後1時30分から小中学生対象の甲冑(かっちゅう)着用体験(ともに無料だが展示見学は入館料必要)を企画。9月16日の午後3時30分からと、10月8日、11月11日の午前10時から展示解説会(入館料必要)が開催される。

 問い合わせは市博物館=0198(32)1030=へ。

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