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県版GAP初登録へ 盛岡で現地確認 五輪食材基準にも対応【岩手】

県版GAPの第三者確認制度に基づく第1号の現地確認で調査員に施設の状況などを説明する田鎖農園の田鎖社長(中央)

 県は22日、県版GAP(農業生産工程管理)の第三者確認制度に基づき確認申請を提出した盛岡市内の農園を対象に現地確認を行った。20日に制度の運用を開始してから第1号の申請者で、今後審査委員会で確認結果を審査し、取り組みが適切であれば26日に県が確認登録証を交付する。県版GAPは2020年の東京五輪・パラリンピックへの食材調達基準を満たす内容で、県は県産農産物の信頼性向上や農業経営の改善のほか、五輪での県産食材の活用推進などの効果も期待する。

 第1号として県版GAPの確認申請を行ったのは同市三本柳の田鎖農園(田鎖高紀社長)。水稲(銀河のしずく)の生産工程について確認を申請し、22日は現地調査員の農業改良普及センター職員2人が田鎖社長から説明を受けたり、農場内の施設・設備を目視しながら県版GAPのチェックシートを基に土づくりや施肥、防除、廃棄物処理、農薬の飛散・残留防止、農作業安全などの項目に沿い確認作業を行った。

 県版GAPは農業者が自らの農業生産活動を記録・点検し、農業生産に伴う危険を把握し、事故の防止や経営改善に活用する取り組み。県は県民計画アクションプランに位置付け、農業者のGAPの取り組みを推進してきており、20日から国のガイドラインに準拠した県版GAPの確認制度の運用を始め、確認申請の受け付けも開始した。

 同農園は水稲や野菜の栽培を手掛けており、水稲は16年にデビューした県産オリジナル品種の銀河のしずくを11ヘクタールの面積で育てている。現地確認に立ち会った田鎖社長は県版GAPの確認申請について「企業の体質を強めたいというのが第一だ。身の回りの管理がなおざりになっている部分もあるので改めて文書で確認し、従業員も共有できて良かった」と話し、「今回は水稲だけだが、JGAPを目指したり、畑作、水耕栽培でも申請するなどレベルアップしたい」と意欲を語った。

 県によると、国際標準のグローバルGAP認証取得は県内で2農場、日本版のJGAP認証取得は3農場(1農場重複)ある。このほか、県版GAPとして県内産地の68%が自主的な改善に取り組んでおり、今回新たに県版GAPの第三者確認制度を運用開始した。

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