悪条件下の連携確認 奥州金ケ崎消防本部 衣川で山岳救助訓練
奥州金ケ崎行政事務組合消防本部による2017年度山岳救助訓練は26日、奥州市衣川区下大森の衣川ふるさと自然塾で行われた。斜面からの滑落者を想定したロープを使った救助や、県防災航空隊との連携による防災ヘリを用いた要救助者のピックアップ救出訓練を実施。参加者は悪条件下での迅速かつ適切な救助に向け、手順を確認した。
訓練は同施設付近から入山した3人が山菜採りをしていた際、1人が足を滑らせて斜面を転落し、別の1人も助けようと斜面を下りる途中に負傷していずれも自力で歩行できない状態との想定で行われた。要救助者は人形を用い、同消防本部26人と防災航空隊7人が参加した。
隊員らは要救助者に声を掛けて元気づけながら、斜面途中で動けなくなった1人を担架で引き上げて救助。立ち木などで防災ヘリが着陸できないため、防災航空隊と連携し、ロープで持ち上げてヘリに搬送した。
また、斜面下に滑落した1人は「ハイライン」と呼ばれる救助方法を用いて対応。無線で入念に連絡を取りながら谷の両岸から2本のスタティックロープを張り、両岸の隊員がロープを緩めたり張ったりして救助隊員と担架を下ろし、要救助者を担架に乗せた後、再びロープを使って持ち上げ、無事救助を完了した。
山岳救助訓練は例年行われており、同消防本部では「今回は防災ヘリとの連携、条件が悪い所での安全な救助技術確認の機会として実施した」としている。