北上・西和賀

来月1日全演目公演 江釣子 御免町鬼剣舞 創始125年記念【北上】

創始125年の記念式典を前に演舞する御免町鬼剣舞

 今年で創始125年を迎えた北上市下江釣子の御免町鬼剣舞(藤田勇夫庭元)は、10月1日に江釣子地区内で記念式典・全演目公演を開く。先人に向けた念佛剣舞供養式などを通し、郷土芸能を引き継ぐ思いを次代に託そうと準備を進めている。

 御免町鬼剣舞は1892(明治25)年ごろから岩崎鬼剣舞の指導を受け、97年に秘伝書を相伝された。岩崎系では相去に次ぐ歴史を持ち、相伝の際の誓約書には史上初めてとみられる「鬼剣舞」の文言が残る。現在は一般の保存会に約40人、中学生までのジュニアの部に19人が所属している。

 一連の記念事業は創始から100年と四半世紀を節目と位置付け、末永い継承のために計画。地域住民で実行委員会を立ち上げ準備を進めてきた。

 記念式典は午前10時から同市下江釣子の江釣子8区自治公民館で開催。供養式は会場に供養塔や鳥居、門構えを設け、作法にのっとって執り行う。修験道の古式を強く残すもので、挙行は20年ぶり。これまで分かっている踊り手だけで80人近くが物故したといい、地域の先人を弔い供養式の継承を祈る。

 祝賀会では系列団体の協力を得て、式典と合わせて御免町に伝わる全16演目を披露する。

 当日は、記念誌を来賓ら出席者に贈呈。団体のルーツと歩みのほか、地区の歴史、鬼剣舞を踊り継ぐ地域住民の思いなどをまとめており、後日地区内にも贈る。

 式典を前に、24日には市立鬼の館での芸能公演に出演。成人、ジュニアとも気合の入った演舞を見せ、節目をアピールした。藤田庭元(69)は「地域の協力も得ており、事業を成功させることが恩返しと思って準備している。節目を良い機会に、若い人に刺激として心が伝わり継承者を増やせれば」と話している。

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