奥州・金ケ崎

寿庵の功績全国発信 ミュージカル俳優井上さんら 市内で映像作品ロケ【奥州】

後藤寿庵を顕彰する映像作品のロケに臨むナビゲーター役の井上さん(中央左)

 胆沢平野開拓の祖・後藤寿庵の功績を顕彰する映像作品のロケが4日、奥州市内で行われた。番組ナビゲーターを務めるミュージカル俳優井上芳雄さんがゆかりの場所を訪ね歩く場面などを収録。撮影は残りわずかで、11月のテレビ放映に向けて最終段階を迎えている。

 地元の後藤寿庵顕彰会(高橋栄蔵会長)が映像作品制作委員会(委員長・高橋会長)を組織。5月に制作発表し、市内を中心に一関市藤沢町や長崎県平戸市、宮城県石巻市、仙台市などを含めて撮影を進めてきた。

 同日は、ナビゲーター役の井上さんが奥州市前沢区上野原の河岸段丘や水沢区福原の寿庵廟などで撮影。福原小路沿いの菊地直吉さん(77)宅では、かつてキリシタンが信仰のために隠し持っていた複数のメダイ(メダル)を見せられて説明を聞く場面を収録した。

 福岡県出身で自身もクリスチャンという井上さんは「隠れキリシタンは九州にもたくさんいたようで縁を感じ、ぜひとお受けした。寿庵が今も岩手の地で人々に尊敬され、今の生活ともつながっていることを伝えられれば」と話した。

 高橋会長は「制作は順調に進んだ。顕彰会員は九州にもおり、番組で全国発信できるのはありがたい」と期待する。

 映像制作は、2016年11月の「寿庵の翼・平成遣欧使節団」ツアーを契機に、謎の多いキリシタン武士の新たに分かった一面も紹介して寿庵顕彰に役立てる狙い。

 撮影は、市民エキストラ参加による寿庵堰の掘削作業や神父役となったクリスマスミサの場面などを9日までに収録して終える予定。

 編集を経て完成後の作品「聖愛の開拓者―生きている寿庵の魂」(仮題)は、IBC岩手放送で11月22日午後9時から、BS―TBSで同26日午前10時から各54分間の番組として放映される。DVDも制作し、郷土学習教材として市内小中学校に配布する。

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