花巻

多彩な手法、関心集める 萬鉄五郎記念美術館「橋本正展」【花巻】

独自手法による連作オブジェなどが注目を集めている橋本正展

 盛岡市生まれの美術作家・橋本正さん(1926~97年)の作品展は、花巻市東和町の萬鉄五郎記念美術館で開かれている。戦後の本県美術に大きな足跡を残した橋本さんの119作を展示。具象画から抽象的造形まで、その多彩な表現手法が鑑賞者の関心を集めている。11月26日まで。

 橋本さんは、岩手初の前衛美術グループ「集団N39」に参加し、布を使ったオブジェ作品で話題を呼んだ。一時制作を中断したものの、盛岡の街を独自の視点から描いた具象画で制作を再開。その画風から「中津川の画家」とも称された。

 1950~90年代の代表的作品をほぼ網羅した展示。さまざまな手法を駆使して注目された初期の連作造形から、独特の空気感で街並みや自然を描いた晩年の風景画まで、橋本さんの制作歴を俯瞰(ふかん)できる内容となっている。

 このうち60年の「作品L」や63年「作品J」といったオブジェは、油絵の具など画材を混ぜた接着剤でキャンバス上に布地を固定した連作。高さ2メートルに迫る大作もある。

 橋本さんと同時代に若き日を過ごした八幡平市の美術家・大宮政郎さん(87)は「今、中央美術界に出しても恥ずかしくない、オリジナリティーあふれる作品。自身のことは語らなかったので文章などはあまり残っていないが、再評価されるべき作家」と指摘。多くの鑑賞に期待を寄せている。

 開館時間は午前8時30分から午後5時。月曜休館(月曜が祝日の場合は翌日休)。問い合わせは同館=0198(42)4402=まで。

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