県内外

本県、全国ワースト2 侵入盗被害無施錠率 求められる防犯意識【岩手】

 県内で2017年上半期(1~6月)に発生した住宅対象侵入窃盗の無施錠被害率は77・1%で、全国ワースト2だったことが、県警のまとめで分かった。全国平均を30ポイント余り上回り、依然高い状況。15年はワースト(84・6%)だっただけに、県警は鍵掛けモデル事業を継続して自主防犯意識の高揚を図り、被害率低下につなげたい考えだ。

 県警によると、住宅侵入窃盗の認知件数は70件。このうち無施錠だったケースは54件。内訳を見ると、空き巣が49件、忍び込みが18件など。無施錠被害のうち侵入口の内訳を見ると、玄関などの表出入り口が17件、玄関以外の勝手口や窓などからが36件で、玄関以外からの侵入が玄関などからの侵入のほぼ2倍となっている。施錠していて侵入されたケースは16件で、窓のガラスなどを破って侵入されたケースが5件、合鍵使用が4件などだった。

 12~15年の過去4年間を見ると、本県の無施錠被害率は74~84%程度で全国ワースト5以内と常にワースト上位に位置。16年は68・2%で11位と若干改善した。

 本県では例年、無施錠被害率が高く、県警は13年から県下全域で施錠を習慣化して防犯意識を高める目的で「鍵かけモデル地区」を指定し、鍵掛けの意識徹底と自主防犯意識の高揚を図っている。16年まで延べ228地区、延べ約6万5000世帯を指定。17年も4~6月に62地区、約1万6500世帯を指定し、活動を展開している。

 県警の羽澤武志生活安全部長は「本県では犯罪の発生率は低いものの、鍵掛けに関しては課題が多いのが実情」とした上で、「住宅対象侵入窃盗は、犯人と鉢合わせすると殺人や強盗に発展しかねない危険な事件。犯罪発生が少ないという安心感から油断せず、外出する際は短時間であっても、玄関だけでなく勝手口や風呂場などを含め完全施錠を心掛けてほしい」と呼び掛けている。

地域の記事をもっと読む

県内外
2024年4月19日付
県内外
2024年4月19日付
県内外
2024年4月19日付
県内外
2024年4月19日付