奥州・金ケ崎

読めるのは図書館だけ 短編小説書き下ろし 29日まで公開 平谷さん「第2、3弾も」【金ケ崎】

金ケ崎町立図書館限定で展示されている書き下ろしの図書館小説の前に立つ平谷さん

 金ケ崎町立図書館は、同町在住の作家平谷美樹さん(57)が同館のために書き下ろした図書館小説を29日までの期間限定で展示している。作品は、図書館を題材に地元のイメージを織り込み、1枚のしおりと少女の物語をつづった短編「しおり」。平谷さんは「私としては第1弾のつもり。金ケ崎の図書館に行かないと読めない小説があってもいい」と継続に意欲を見せている。

 10月の企画展「平谷美樹の新しい風」の目玉展示。同館が6月に平谷さんの著作を紹介する企画展を開いたのをきかっけに、平谷さんが図書館のために小説を書こうと思い立ち、夏ごろに原稿用紙30枚程度の作品を仕上げ、同館に持ち込んだ。

 「しおり」は、本好きで引っ込み思案な中学2年生の少女・佐々木詩織が、図書館から借りた本に挟まっていた1枚のしおりを見つけたことから物語が展開する。多感な時期の少女の心情、同館や風景など金ケ崎にちなんだ要素を織り込みつつ、意外な結末も含め、爽やかな読み応えのある作品となっている。

 会場では小説を7枚のパネルにして掲示しており、来場者がゆっくりと足を止めて読み作品の世界に浸っている。平谷さんの著作貸し出しベスト10なども紹介している。

 展示初日の14日は、平谷さんのオープニングトークも行われた。平谷さんは自身の小説の作り方や作品に込めた思いなどを披露。また、「第2弾、第3弾の図書館小説も考えている」とし、町民らを対象とした「図書館小説大賞」創設など図書館を通じた文化発信の構想も披露して「『文化の金ケ崎』と言われる町にするお手伝いができれば」と語った。

 開館時間は午前10時~午後6時。23日は休館。問い合わせは同館=0197(41)1900=へ。

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