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社員研修 農山漁村で 企業とGT団体 県がマッチング支援【岩手】

県が開いた発表会で参加企業に社員研修プログラムの内容を説明する受け入れ団体の担当者ら

 企業による体験交流型社員研修の誘致を目指し、県は県内市町村の受け入れ団体と県内外の企業のマッチングを支援する取り組みを始めた。14日は盛岡市の盛岡地域交流センター(マリオス)で「農山漁村での体験交流型社員研修プログラム発表会」を開き、受け入れ団体が参加企業に研修プログラムを提案、研修の誘致拡大につなげた。

 県によると、本県のグリーン・ツーリズム(GT)は小中高生が対象の体験型教育旅行を中心に多くの地域で受け入れ実績がある。一方、近年は社員のコミュニケーション能力やチームワークの向上など農山漁村体験を通じた人材育成に対する企業の期待が高まっており、社員研修の誘致を目的とする企業向けの発表会を初めて企画した。

 企業は旅行や鉄道、銀行、スーパーなど県内10社と県外2社が参加。受け入れ団体は花巻市や西和賀町、一関市、平泉町など県内全域の13団体が参加し企業の担当者と面談しながら研修プログラムの内容を説明した。

 花巻市のはなまきグリーン・ツーリズム推進協議会は社員が農産物直売所が抱える課題の解決に参画する地域課題解決型の研修や宮沢賢治が目指した農業と温泉ヒーリングから健康体のつくり方を学ぶ地域活性化型の研修を提案。一関市のいちのせきニューツーリズム協議会は地域活性化や伝統技能の継承、労力の補完などに企業が貢献できる研修として布草履作りや林業体験、餅料理作り、満月ウオークなどのプログラムを例示した。

 西和賀町の担当者は「これまで個人の旅行客をメインに受け入れてきたので社員研修はどの程度のレベルのものが求められるのか分からない。企業側のニーズを知りたい」と意欲。花巻市の担当者は「研修の受け入れにより花巻の良さを広く知ってほしい。興味を持ってくれた企業と打ち合わせを重ね、来年度くらいに実施まで持っていきたい」と期待を語った。

 県は今後、首都圏企業などを対象に社員研修の受け入れをPRする企業訪問なども行う考え。県農業振興課の中南博総括課長は「企業と受け入れ団体が結び付き、1件でも多く県内で社員研修の受け入れができるようにしたい」としている。

 

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