花巻

県産木材で街づくり 各種施設への活用策探る 花巻でシンポ

花巻市街地への木材利用についてパネリスト3人が意見を述べたシンポジウム

 県と花巻市木材利用促進協議会主催の「はなまき 木遣(きづか)いの街づくりシンポジウム」は16日、同市大通りのなはんプラザで開かれた。基調講演とパネルディスカッションを通じて店舗や公共施設などに県産木材を取り入れ、地域活性化につなげる方策について考えた。

 木材を供給する森林・林業従事者、設計・施工業者、施設運営者、利用者それぞれが効果を受益できる「木遣いの街づくり」の機運づくりを目的に初開催。市民ら約100人が参加した。

 初めに東京大生産技術研究所の腰原幹雄教授が「地方都市における木材を活用した街づくり」と題して基調講演。富士大の岡田秀二学長をコーディネーター、腰原教授を助言者に迎えてのパネル討議では、木村設計A・T代表取締役の木村清且氏、マルカンビル1階「マーブルプラス」代表の髙橋久美子氏、小友木材店営業部係長の平野裕幸氏のパネリスト3人が「花巻市街地への木材利用」をテーマに意見を交わした。

 木村氏は一関市花泉図書館や花巻市立大迫中学校舎など木材を利用した建物の設計を手掛けており、「木造の建物は鉄筋コンクリートに比べコストが高いという見方をされるが、花泉図書館のような事例があり、大迫中改築校舎では市の努力でコストを抑えた。地元の市有林のスギなどを利用し、校舎内にステージを設けることもできた。花巻には宮沢賢治が大切にした気候や風土があり、それを意識した木材活用を心掛けている」と強調した。

 髙橋氏はマルカンビル再建の取り組みに呼応し、木材のパネルやブロックを店舗改装などに役立てている。「居心地の良さを追求している。短い滞在時間でも癒やされる場として木を使いたい」と木の良さにこだわる姿勢を示した。

 平野氏は同ビルの再建や12樹種の県産木材を活用した店舗向けのカウンターを加工する取り組みを挙げ、「格好良さや面白さがないと木材を使ってくれないのでエンターテイナー性にこだわっている。人の集まる花巻にするため木材でお手伝いをしたい」と抱負を語った。

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