「セイエイ百貨店」開店　料理、散髪出前します　県生衛同業組合中央会　高齢者対象に【北上】

　高齢者に生活衛生サービスを有料で提供する北上地区の「岩手セイエイ百貨店」は20日開始した。県生活衛生同業組合中央会（澤田克司会長）の社会貢献活動による出前型サービス事業。北上市立花のサービス付き高齢者向け住宅「やちだもの家北上」で最初の出前があり、お年寄りたちは業界のプロが提供するすしや季節の料理を楽しんだ。

　高齢者向けサービスは、２０１４年度から厚生労働省の補助を受け生活衛生関係の地域活性化連携モデル事業として実施。北上市では15、16年度に行われ、高齢者施設などで料理や散髪などのサービスを提供した。事業結果を踏まえ、17年度に有料の出前型サービスを行う岩手セイエイ百貨店がオープンした。

　やちだもの家北上で関係者が出席して開所式が行われた。鈴木久明県理容生活衛生同業組合北上支部長は「業界のプロが安全・安心で良質なサービスをお届けする。各組合が連携し、地域の活性化に取り組む」と決意を述べた。

　県生活衛生同業組合は12組合で構成。同日は県すし業組合副理事長の新田直美さん（金寿司）と県料理業組合監事の佐藤民生さん（喜乃字）が調理したすしと芋の子汁がテーブルに並んだ。お年寄りたちはプロの腕前に満足した様子で、伊藤博さん（69）は「みんなとてもおいしい」と喜んでいた。

　北上地区のセイエイ百貨店では▽理容▽美容▽すし▽中華料理▽社交飲食▽季節の料理―の出前サービスを組合員が老人福祉施設などに出向いて実施。一度に二つ以上のサービスを行い、このうち理容では12人まで２万円で頭皮診断やカット、マッサージをする。

　北上地区の同百貨店は盛岡、宮古地区に次いで開設。鈴木支部長は「プロの仕事を通じて組合店を知ってもらうとともに、真心のこもったサービスでお年寄りたちに喜んでいただければ」と語り、コミュニケーションの大切さを強調した。